2003 Fiscal Year Annual Research Report
海洋微生物ラビリンチュラのドコサヘキサエン酸生成に関する細胞学的解析
Project/Area Number |
15657016
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
野口 哲子 奈良女子大学, 理学部, 教授 (00135823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵和田 聡 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40281662)
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Keywords | ラビリンチュラ / Schizochytrium limacinum / ドコサヘキサエン酸 / 脂肪酸 / 小胞体 |
Research Abstract |
ラゼリンチュラ類は卵菌と不等毛植物の特徴を持つ汽水域に生息する単細胞生物である。Schizochytrium limacinum21株(SR21株)は細胞乾燥重量あたり15〜60%もの多量の脂肪酸を細胞内に蓄積し、なかでも高度不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)を多量に生成する。 本研究では、SR21株のDHA生成を細胞学的に解析する目的で、以下の1.3.の実験系を確立し、2.4.5.の結果を得た。1.SR21株の同調培養系を碓立した。細胞を蒸留水で48時間飢餓状態にした後、人工海水に移して高頻度の遊走子形成を誘導し、この細胞群を遠沈し、鞭毛を持って浮上する遊走子を100%の精度で回収することができた。遊走子をスタートとし、その後定時的に観察・測定を行った。2.Nile red染色し、生活史の全ての時期にオイルドロップが観察されたが、オイルドロップは遊走子着床後の細胞成長に伴って大きくなり、細胞当たりの数も増加した。3.電子顕微鏡試料作製法を確立した。細胞を-190℃の液体プロパン中で急速に凍結させ、DHAを多量に含むと考えられる縞状構造を呈する電子顕微鏡像を得た。4.縞状構造は遊走子では観察されず、細胞成長中に出現し、成熟した定常期の細胞内に多数蓄積した。成長中の細胞では、'小型の縞状構造が小胞体に接して出現し、小胞体内には観察されないため、小胞体上で合成されると考えられた。5.脂肪酸量とDHA量を測定した。100%遊走子とDHAを多量に蓄積する定常期の細胞群の各々から薄層クロマトグラフィー法で脂肪酸を分離し、脂肪酸量/細胞乾燥重量と総脂肪酸に占めるDHAの割合を比較した。前者は、遊走子で14%、定常期には4%に減少し、後者は遊走子で55%、定常期には59%に増大した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Yamamoto, M.Nishimura, I.Hara-Nishimura, T.Noguchi: "Behavior of Vacuoles during Pollen Development and Autolysis in Arabidopsis thaliana."Plant Cell Physiology. 44. 1192-1201 (2003)
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[Publications] S.Kagiwada, I.Nakamae, M.Kayukawa, S.Kato: "Cytoskeleton-dependent polarized secretion of arylsulfatase in the unicellular green alga, Chlamydomonas reinhardtii."PLANT SCIENCE. (未定). (2004)