2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアにおける異性化アミノ酸含有蛋白質の代謝機構の解明
Project/Area Number |
15657030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木野内 忠稔 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90301457)
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Keywords | D-アミノ酸 / D-アスパラギン酸 / 活性酸素 / ミトコンドリア / 老化 / 酸化ストレス / プロテアーゼ / フォールディング病 |
Research Abstract |
ミトコンドリアにおけるD-Asp含有蛋白質の動態を調査するため、D-Asp含有ペプチドを抗原として特異的な抗体(以下、抗D-Asp抗体)を作成し、二次元電気泳動とウエスタンブロッティングにより、その網羅的検出を試みた。まず、通常培養のHep G2(ヒト肝癌由来株細胞)からミトコンドリアを分離し、そのホモジェネートに対して検出を行った。その結果、予想外に陽性スポットが多く検出された(〜40個)。当初、酸化ストレスを与えない限り、蛋白質中のAsp残基のラセミ化は起きにくいと考えていたので、この結果は、作成した抗D-Asp抗体の特異性に疑問をもたせるものであった。従って、別途精製したD-Asp含有蛋白質分解酵素:D-aspartyl endopeptidase(DAEP)をその抽出液に加え、スポットの減少を観察した。なぜなら、DAEPはD-Asp含有蛋白質を特異的に分解するので、DAEPを加えたミトコンドリア抽出液では、D-Asp含有蛋白質が分解され、抗D-Asp抗体では検出できなくなるはずだからである。その結果、およそ半分のスポットが減少した。従って、得られた抗D-Asp抗体陽性スポットの全てがD-Asp含有蛋白質ではないことが判明した。しかしながら、多くの陽性スポットが、DAEPの添加によって消失する、即ち、D-Asp含有蛋白質であることが示唆されたことも確かである。D-Asp含有蛋白質の網羅的な検索方法は、効率や感度の点から本法をおいて他に無い。従って、上述のように抗D-Asp抗体とDAEPと組み合わせて検出すれば、判断を誤ることなくD-Asp含有蛋白質の同定も可能であろう。今後は本法の検出精度をより高め、ストレスの有無によるD-Asp含有蛋白質の生成量の変化について調査したいと考えている。
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Research Products
(4 results)