2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ノックアウトを用いたmiRNAの機能及び生成機構の解析
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15657039
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 文夫 金沢大学, がん研究所, 教授 (40124424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 敬治 金沢大学, がん研究所, 助手 (60272986)
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Keywords | miRNA / DT40 / 遺伝子ノックアウト |
Research Abstract |
昨年度までにトリBリンパ細胞株DT40から得たmiR17-5P(miR91),miR17-3P(miR17),miR18,miR19a, miR20,miR19b, miR92の7種類のmiRNA遺伝子が密集して存在する遺伝子クローンについて、miRNA遺伝子群を含む1.9kbpをpuromycinおよびblasticidin S耐性遺伝子で置き換えたノックアウトコンストラクトを構築し、エレクトロポレーション法によってDT40細胞に順次導入し、それぞれの抗生剤の存在下培養することにより、これらのmiRNA遺伝子を完全に欠失した細胞株を得ることに成功した。変異遺伝子を導入した親株は野性株であることから、この遺伝子群は細胞の増殖には必須でないことが明らかになった。 得られたノックアウト細胞株と親株(野性株)とを比較すると、形態的には殆ど変わることはなかった。一方、細胞の増殖速度はノックアウト細胞株で有意に遅くなっていた。各細胞株から全RNAを抽出し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、各miRNAに対するプローブを用いてノーザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、ノックアウト細胞株ではmiR17-3P及びmiR20の発現が完全に消失していた。しかし、他の5種類のmiRNAの発現は野性株と比較して減少しているものの、完全に消失するまでには至らなかった。これはそれぞれのmiRNAと類似した、あるいは完全に一致した塩基配列を持つmiRNA遺伝子が他に存在することによるものと考えられる。 本研究により、2種類のmiRNAの発現が完全に押さえられた細胞株が得られた。この細胞株および野性株で発現しているタンパク質を、二次元マッピングなどで比較することにより、これらのmiRNAのターゲットを特定することができるものと考えられる。
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