2005 Fiscal Year Annual Research Report
胚葉テクトニクス:隣接関係の動態に着目した器官形成の研究
Project/Area Number |
15657054
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
八田 公平 独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, 研究員 (40183909)
|
Keywords | ケージド蛍光 / 形態形成 / ゼブラフィッシュ / 中胚葉 / Kaede / Dronpa / 体節 / イメージング |
Research Abstract |
この三年間の研究を通じ、紫(外)線照射によって、蛍光を発するようになるケージド蛍光色素や、もともと緑蛍光であるが赤に変色するタンパク質Kaede、蛍光を消去したり復活させたりできるDronpaなどをゼブラフィッシュの初期胚に導入して、時期、場所特異的に光転換させ、様々な細胞集団の振る舞いを、体系的に解析する方法を確立することができた。 1.初期嚢胚に様々なパタンで紫(外)光を照射したのちに、4次元イメージングを行うことにより、いままであいまいだった器官形成過程を可視化することに成功した。たとえば、各種プラコードの形成は複雑であるが、その様子を観察することに成功した。 2.中胚葉組織は、外胚葉組織を裏打ちするように移動していき、同時に、脊索・体節・腎節などに分化する。おのおのの組織どうしが、発生初期において、どのような位置関係にあり、それがどのように変化していくかを調べるため、私達は体節形成時期の胚を、光転換法によって縞状にラベルして、おのおののストライプの中の組織が互いにどのようにずれていくかを体系的に調べる方法を開発した。その結果、発生途上において、それぞれの組織がもともと隣り合っていた組織から、だんだんと離れていくことが観察された。このことは、それぞれの組織が持つ隣接関係や位置情報が次第にずれていくことを示している。 3.初期嚢胚にレーザーをもちいて、座標軸を描き、それがどのように変形していくかを観察することにより、細胞集団の‘座標変換'を明らかにする手法を開発した。また、この技法をもちいて座標変換に異常をきたす突然変異体の解析が可能となった。 また、以上の技術はマウスでも応用可能であるとの結果を得ている。
|
Research Products
(2 results)