2003 Fiscal Year Annual Research Report
中心体に局在するDNAの解析-中心体の超源を探る-
Project/Area Number |
15657057
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
日野 晶也 神奈川大学, 理学部, 教授 (00144113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安積 良隆 神奈川大学, 理学部, 助手 (50211701)
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Keywords | イトマキヒトデ / 精子 / 中心体 / 分裂装置 / in situ PCR / 極体 / 減数分裂 / 卵成熟 |
Research Abstract |
本年度の目的として、イトマキヒトデの精子中心体分画より精製されたDNAのうち明らかとなった塩基配列をもとに、このDNAの「機能」として中心体の複製能に着目して以下の実験を行った。イトマキヒトデの卵成熟過程では、極体の中心体に複製能があり、卵に残る中心体には複製能が無いことが明らかとなっている('01,E.C.R.,Tamura & Nemoto)。そこで、極体及び、極体形成に関わるイトマキヒトデ卵成熟分裂(減数分裂)の分裂装置を単離し、それぞれに含まれる中心体に精子の中心体に局在するDNAがどのように局在するかを検討した。その結果、単離した第1極体、第2極体どちらからもin situ PCR法による精子中心体DNAと相同な塩基配列を持つDNAの局在が確認された。さらにPCRにより増幅されたDNAの塩基配列も精子中心体のDNAと相同であることが明らかとなった。また、単離した第1減数分裂の分裂装置の両極から、それぞれ1つずつDNAの局在を示すシグナルを確認した。一方第2減数分裂の分裂装置からは、片側の極にのみからDNAの局在を示すin situ PCRによる増幅されたDNAが確認された。イトマキヒトデの卵減数分裂過程における中心体の複製は、その中心に位置する中心粒の複製能の有無によると考えられている。上記の報告によると、減数分裂の分裂装置の両極に位置する中心粒には、複製能を持つ中心粒と持たない中心粒が存在する。第1減数分裂では両極に1つずつ、第2減数分裂では片側(第2極体に入る中心粒)に複製能は存在する。従って、我々がこれまでに確認した結果から、精子中心体に局在するDNAは、イトマキヒトデの卵減数分裂の中心体に局在すると共に、中心体の複製能と一致する局在性を示すと考えられる。また、本年度はヒトデ以外に、植物の精子の中心体にDNAが局在するか否かを検討するために、新たな実験系の構築として、ゼニゴケの無菌培養株の作成に成功した。今後ゼニゴケの無菌株を用いた中心体DNAの探索が可能となった。
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Research Products
(1 results)