2004 Fiscal Year Annual Research Report
食事制限に対する馴化過程:心理・生理的応答からの検討
Project/Area Number |
15657060
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 晴信 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助手 (10322140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲田 勝康 関西医科大学, 医学部, 講師 (60273182)
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Keywords | 食事制限 / 心理・生理反応 / 気分 / 疲労 |
Research Abstract |
これまで人類が生存してきた期間の大部分は飢餓がくりかえされる厳しい食環境であり、ヒトはそのような栄養ストレスに対して適応性を獲得してきた。げっ歯類等における動物研究により、絶食や食事制限のような栄養ストレスに対して生体内では様々な神経、内分泌学、免疫学的反応が起こることが知られているが、心理的・生理的応答にも当然、影響をおよぼすことが考えられる。平成15年度はこれらのヒトを対象に、短期的な摂取エネルギー制限が生体に対してどのような影響をおよぼすのか心理的、生理的応答の面から検討した。平成16年度も前年度に引き続きこれらの影響を検討した。 対象者は大阪府内の某企業の健康増進施設において、健康増進プログラムを受講した者のうち、同意を得られた者である。同施設では主にエネルギー制限を中心とした食事指導をプログラムの中心として実施されている。対象者は無作為に中等度エネルギー制限群および軽度エネルギー制限群の二群に分けられ、摂取エネルギー以外のプログラムは同じであった。対象者に対して、施設入所後と退所前において、体温、血圧、脈拍当の理学所見、採血、採尿、フリッカー値や質問紙票による疲労度測定、POMS(Profile of Mood States)検査等を行った。 施設入所期間中、摂取エネルギーが制限された食事により、体重や血圧の低下が観察された。気分に関する検査結果は両群ともに緊張や怒り等の気分尺度に低下がみられ、逆に活気の気分尺度は上昇がみられた。疲労度については両群とも疲労の低下がみられた。しかしながら、両群間においてほとんどの項目で有意差がみられなかった。食事制限にともなう体重減少は、食事制限導入初期に大きいことが動物実験等で確認されているが、今回の結果により、栄養不良をともなわない食事制限であれば、心理・生理的変化に関して副作用となりうるような影響を与えないことが示され、また、短期間でありながら機能馴化が働いている可能性も示唆された。
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Research Products
(2 results)