2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658016
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
渡辺 京子 玉川大学, 農学部, 講師 (70276682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
露木 美英 玉川大学, 農学部, 助教授 (50146990)
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Keywords | 内生菌 / Pestalotiopsis neglecta / 木本植物 / Pieris japonica / 侵入様式 / 抵抗性反応 |
Research Abstract |
内生菌の侵入における木本植物の反応を確認することを目的として内生菌として高頻度に分離されるPestalotiopsis neglectaと木本植物アセビを用いて実験を行い、以下の結果を得た。 1)アセビの無菌培養方法(材料の準備) 野外のアセビには内生菌が生息している。そこで、無菌植物を得る目的で未成熟種子の保菌の可能性を定法による菌の分離とともに、DNAを抽出しPCR法によって調査した結果、これらが無菌であることが確認された。また、種子を25℃、200 luxの条件下でGA_W50mg/l添加した1/10MS培地に播種すると19〜26%の発芽率が得られ、その後IAA 0.05g/lを添加した1/10MS培地に移植によって3週目に92%、6週目に100%の発根率となった。 2)P.neglecta植物への侵入様式 内生菌の侵入様式は殆ど明らかになっていない。Pestalotiopsis属菌の場合はその侵入様式が傷とされていた。本研究によってP. neglectaは傷からの侵入のほかにクチクラ層内に容易に侵入すること、気孔からも侵入することを証明した。また、本菌がクチナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼを有し、侵入にはこれらの酵素が関わるものと推察された。 3)菌の侵入時における植物の抵抗性反応 P.neglecta植物葉に接種し、植物のSOD活性を調べた。その結果、植物の抵抗性反応が内菌であるP.neglectaに対しても抵抗性反応が起きることを明らかにした。しかし、この抵抗性の程度が他の植物病原菌に対しての反応と比べて低いかどうかについては今後の研究が必要である。また、健全緑色葉をホルマリンで処理した葉では、抵抗性反応が止まっているにも関わらず菌の蔓延は、茶色葉に比べて顕著に遅く、植物の反応は動的な抵抗性だけでなく細胞間の緩みなどその状態が大きく関わっていることが予想された。
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