2003 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素耐性菌を用いた工場排ガスの直接固定化に関する培養工学的研究
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15658029
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田中 賢二 近畿大学, 九州工学部(16年4月より産業理工学部), 助教授 (20236582)
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Keywords | 水素酸化細菌 / PHB / 生分解性プラスチック / CO_2固定化 / 工場俳ガス / 一酸化炭素耐性 |
Research Abstract |
我々が分離した水素酸化細菌Ideonella sp.は、比増殖速度が非常に高く、かつ生分解性プラスチック素材であるポリヒドロキシ酪酸(PHB)生産能も有しているのでCO_2固定プロセスの使用菌としてたいへん有望であるが、この菌は一酸化炭素に対する耐性が極めて強いことが最近の研究結果から示唆されている。本研究では、水素酸化細菌Ideonella sp.の一酸化炭素存在下における増殖特性やCO_2固定能力について速度論的見地から定量的評価を行った。本研究の結果いかんによっては工場排ガスを基質とする発酵技術創製への道が開かれることも期待される。そこで、平成15年度はジャー発酵槽を用いたpH制御回分培養によって以下の検討を行った。 (1)Ideonella sp.の比増殖速度を測定したところ、最大比増殖速度は0.60h^<-1>であり、酸素濃度の上昇による阻害をあまり受けなかった。少なくとも、酸素濃度30%までは安定した増殖速度が得られた。ただし、本菌は、窒素源である硫酸アンモニウム濃度には比較的鋭敏に反応を受け、至適硫酸アンモニウム濃度は約1.0g/lであった。 (2)本菌は、一酸化炭素による阻害もあまり受けず、10%程度の一酸化炭素濃度では比増殖速度がほとんど低下しなかった。また、一酸化炭素が30%程度でも良好に増殖し、50%以上でも増殖が可能であった。ただし、70%以上の一酸化炭素濃度では増殖が完全に阻害された。 (3)また、本菌は高濃度のメタン存在下でも良好に生育した。 以上の研究結果を基に、次はIdeonella sp.の決定一酸化炭素存在下でのPHBの蓄積能力を評価し、さらにガス培養での菌体生成に関する物質収支(stoichiometry)を決定する予定である。
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