2004 Fiscal Year Annual Research Report
all-D型タンパク質の新規機能性の探索と合成系確立の試み
Project/Area Number |
15658030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智久 東北大学, 生命科学研究科, 助教授 (80240901)
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Keywords | レクチン / タンパク質発現 / ペプチド合成 / キラル認識 |
Research Abstract |
本研究では、糖鎖を厳密に認識するレクチン分子をモデルとして、そのキラル認識能についてD型タンパク質の合成およびキラル糖鎖との相互作用解析、複合体のX線構造解析により詳細な相互作用様式を明らかにすることを目的とした。そのため先ず魚類マアナゴ体表粘液に存在する2種のガレクチン(コンジェリンIおよびII)のうちコンジェリンIIについて、グリシンを除く全アミノ酸をD型とするタンパク質の化学合成を行い、Ac-Ser1-Gly35(C4 fragment), Glu36-Gly68(C3 fragment), Trp69-Gly104(C2 fragment), Glu105-Glu135(C1 fragment)の4つのセグメントに分割して合成を行った。すべてのフラグメントについての合成を終え、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。チオエステル法よるフラグメント縮合をおこなうため、条件設定をこころみているが、主に不溶化により効率的なカップリングには至っていない。今後は固相によるチオエステルフラグメント縮合を試みたい。一方、in vitroでのall-D体蛋白質の合成のため、市販の小麦胚芽系の翻訳因子を含む蛋白質合成系と転写・翻訳因子再構成in vitro蛋白質合成システム(Puresystem)を用いて、コンジェリンIIとコンジェリンPについての発現を試みた。コンジェリンPの発現は、確認できなかった。コンジェリンIIについては、発現量にまだ問題があるため、最適化を検討している。 比較のために大腸菌をもちいたコンジェリンIIの発現系を用いて発現を行っているが、1Lから50〜100mgもの大量なリコンビナントコンジェリンIIが得られる。これを利用して、コンジェリンIIをタグとした発現系構築へと発展させたところ、コンジェリンII自体がシャペロンとして働くことを見いだし、これまで発現が困難であった蛋白質(7組のジスルフィド結合を含む)を可溶化物として、また正しいフォールドで発現させることに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Complementary DNA Cloning and Molecular Evolution of Opine Dehydrogenases in Some Marine Invertebrates2005
Author(s)
Kimura, T., Nakano, T., Yamaguchi, T., Sato, M., Ogawa, T., Muramoto
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Journal Title
Marine Biotechnology 36(1)
Pages: DOI:E10.1007/sl0126-004-2700-6
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