2003 Fiscal Year Annual Research Report
セルラーゼはセルロースミクロフィブリルを修復する酵素である
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15658032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 隆久 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70231529)
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Keywords | セルラーゼ / ミクロフィブリル / セロオリゴサッカライド / Outer membrane |
Research Abstract |
セルロース合成菌(Acetovacter xylinum)のセルロース合成酵素オペロンの上流にある、セルラーゼ遺伝子をマーカエクスチェンジ法によって遺伝子破壊するとセルロースが生産されなくなった(変異株)。合成初発反応のためにセロオリゴサッカライドをプライマー分子として与えたが効果は無かった。そこで、この菌のセルラーゼ遺伝子を発現ベクターpSA19に構築し、変異株を形質転換すると、再びセルロースの生産を開始した。同時に、ポプラのセルラーゼ(PopCell)をこの変異株で発現させると、同様にセルロースを生産した。電気泳動によって分離したセルラーゼのバンド(36kDa)はカルコフローで染色されなかったが、細胞内タンパク質で抗体と反応するものはカルコフローで染色された。 この変異株に水素結合解除タンパク質(CBD部分及びエクスパンシン)を発現させたが、効果は無かった。膜結合型セルラーゼ(KORRIGANセルラーゼ)の発現も効果がなかったが、膜結合部分を除くと少量のセルロースを生成した。 変異株が生育しつつある固体培地にウェルを作り、そこに様々な添加物を与えて効果をみるアッセイ法を開発した。そのウェルにペプチドグルカンを分解するリゾチームを与えてもセルロースは生成されなかったが、Outer membraneを溶かすEDTAを与えるとセルロースを生成した。このことから、Outer membraneのサイズが小さく、そこからミクロフィブリルを分泌するためにセルラーゼが必要とされることが推察された。そこで、これら細胞壁全体を溶解するSDSを用いたところ強いセルロース生産が認められた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Teruko Konishi, Yasunori Ohmiya, Takahisa Hayashi: "Evidence that Sucrose Loaded into the Phloem of a Poplar Leaf Is Used Directly by Sucrose Sypthase Associated with Various β-Glucan Synthases in the Stem"Plant Physiol.. 134. 1146-1152 (2004)
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[Publications] J.Shao, T.Hayashi, P.G.Wang: "Enhanced production of α-galactosyl epitopes by metabolically engineered Pichia pastoris"Applied Environmental Microbiology. 69. 5238-5242 (2003)
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[Publications] 林 隆久: "植物におけるグライコミクス"日本農芸化学会誌. 77. 1001-1003 (2003)
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[Publications] Y.Ohmiya, T.Nakai, Y.W.Park, T.Aoyama, A.Oka, F.Sakai, T.Hayashi: "The role of PopCel1 and PopCel2 in poplar leaf growth and cellulose biosynthesis"Plant J. 33. 101-111 (2003)
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[Publications] Y.W.Park, R.Tominaga, J.Sugiyama, Y.Furuta, E.Tanimoto, M., Samejima, F.Sakai, T.Hayashi: "Enhancement of growth by expression of poplar cellulase in Arabidopsis thaliana"Plant J. 33. 111-118 (2003)