2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長澤 徹明 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30002067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 京 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30203235)
山本 忠男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00312398)
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Keywords | 川跡湖 / 地域資源 / 水質水文 / 積雪融雪 / 全窒素 / シミュレーション |
Research Abstract |
これまでの2年間で,石狩川中下流域に点在する河跡湖の地域資源としての評価を実施し,昨年度はとくに水質環境の現況を把握から河跡湖水質とその影響要因についての検証を実施してきた。さらに河跡湖水質と影響要因との関係を定量的に評価することで河跡湖の水質形成機構を明らかにし,そこで得られた知見をもとに河跡湖の水質保全に資する地域の水土利用,管理についての検討をおこなった。 昨年度の結果から,重点調査対象とした伊藤沼において水質水文モデルを構築し,年間の水質水文環境を明らかにした。本報告では,構築された水質水文モデル(2003年モデル)を用いて2004年の水質環境を予測し,予測値と実測値からモデルの適合性について検討することを目的とした。なかでも2003年モデルでは検討が十分なされなかった融雪期を重点的に検討し,モデルの修正をおこなった。 その結果,融雪期の適合性の問題は,脱窒速度と湖沼氷層の凍結融解ならびに融雪にともなう負荷流入の推定が十分でないことが判明した。そこでそれらの要因をサブモデルとして組み込むことで,2003年モデル以上の精度が得られた。 本モデルの構築によって,河跡湖の水質水文環境の把握はこれまで以上に精度があがったと考えられる。すなわち,農業流域に位置する河跡湖の水質保全対策において,適正な管理への判断材料を提供することができる。 今後,このモデルが水質保全・改善に有効に利用されていくためには,このモデルが伊藤沼だけでなく,他の湖沼への適応性を検討していく必要がある。 次年度以降の取り組みとしては,畑草地の展開する天塩川流域の河跡湖において,この水質水文モデルの適応性の確認を予定している
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Research Products
(4 results)