2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長澤 徹明 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30002067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 京 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30203235)
山本 忠男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00312398)
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Keywords | 浄化型水路 / 窒素 / リン / 汚濁負荷 / 酪農流域 |
Research Abstract |
今年度は,天塩川流域の8ヵ所の河跡湖を対象とした地域資源としての機能分析と評価を中心に調査を実施した。また,過去2年間の石狩川流域河跡湖の調査結果とあわせて,研究の最終年度としてのとりまとめをおこなった。 まず,天塩川流域河跡湖の利用状況の把握や機能評価のために,当該地区の自治体をはじめとする管理主体を対象にヒアリング調査を実施した。その結果,天塩川流域上流に位置する河跡湖では,周辺土地利用は水田が卓越することから水田用水源・補助水源として利用されるものの,下流域では酪農主体の農業経営のため,単なる排水の受け皿として認識されていることが確認された。中流域の河跡湖では,親水公園利用がみられた。また,水面面積の大きな河跡湖では洪水調節機能が付せられていることもわかった。 つぎに河跡湖の水質環境について調査を実施した。各河跡湖において定期的に採水を実施し,さらに重点調査地として2ヵ所の河跡湖では水位変動と流出水量などの連続観測を実施した。窒素,リンに関する各水質項目は,おおむね夏季に良好となり,秋季から悪化する傾向があった。また,春季には,水田地帯の河跡湖で高濃度のSSやT-Nが確認された。これは,水田の代かき・田植えにともなう強制排水の影響と推察された。一方,畑地帯や酪農地帯における春季の水質も高濃度であり,この原因としては融雪や施肥などが影響していると考えられた。 現在,前年度の成果である石狩川河跡湖の水質変動モデルをもとに,今年度のデータを加え,天塩川河跡湖の水質変動モデルの適合性を検討中である。
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Research Products
(1 results)