2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物葉内イオン濃度分布のin situ解析手法の開発
Project/Area Number |
15658071
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
荊木 康臣 山口大学, 農学部, 助教授 (50242160)
|
Keywords | 蛍光プローブ / attached leaf / 画像計測 / pH |
Research Abstract |
本研究の目的は、環境応答時の葉内pH分布画像を取得し解析することである。この目的のもと、本年度は、pH感応性蛍光プローブをattached leafの細胞内へ導入する方法を検討した。蛍光プローブの導入法の評価は、1)葉を植物体から切り取る必要がない、2)細胞から蛍光測定に十分な蛍光強度が得られる、3)プローブ導入後、植物葉、気孔が正常な機能を維持している、という観点から行った。導入法として、1)根から蛍光プローブ溶液を吸わせる方法、2)葉を蛍光プローブ溶液につける方法、3)超音波を利用する方法等を試みた。蛍光強度は、実体蛍光顕微鏡に高感度冷却式CCDカメラを取り付け、画像計測により求めた。蛍光プロープ導入後は、目視による障害の有無、熱赤外線画像解析装置による葉温測定、およびクロロフィル蛍光によるPSII量子収率解析を行い、植物葉への影響を調べた。pH感応性蛍光プローブには、汎用性の高いFluorescein Diacetate、および定量解析に優れたレシオイメージングが可能であるSNARF-1/AMを用いた。数種の植物で実験を行った結果、植物種によって蛍光プローブの導入しやすさは異なり、導入しやすい植物(例えば、シュンギク、キャベツ)の場合、attachcd leafを蛍光プローブ溶液に室温で数時間浸すことにより、孔辺細胞、表皮細胞、葉肉細胞へ蛍光プローブを導入することが可能であった。この場合、目視、葉温測定およびクロロフィル蛍光計測により植物体の状態を評価したところ、蛍光プローブ導入による異常は認められなかった。一方、プローブ溶液に葉を浸して超音波振動を与える方法では、短時間(15分間程度)での導入が可能であったが、葉に可視的な障害が認められた。また、根から吸収させる方法では、葉において十分な蛍光強度を得ることができなかった。
|