2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658077
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 正範 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (20124802)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 幸則 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (10167017)
|
Keywords | 産卵鶏 / 暑熱ストレス / 脳神経系 / アミン動態 / HPLC-ECD分析 |
Research Abstract |
本研究では暑熱に対する鶏の反応性が飼育環境や加齢によって変動することを種々の不快刺激下における脳内アミンの動態を解析することにより検証することを目的とする。本年度においては、脳内アミン動態に及ぼす屠殺方法、明暗環境、加齢および高温負荷の影響を解析するために以下の実験を行った。 【目的】外部環境からの刺激に対する産卵鶏の反応を理解するために、大脳、間脳および脳下垂体のアミン濃度を種々の条件下で測定し、脳内神経系の動態を把握することの有効性を検討した。 【方法】薬殺(断頭、ネンブタール薬殺)、明暗環境(7、15時)、日齢(200、370、600日齢)および環境温度(20、31℃10日間)の条件別に白レグ系産卵鶏を各区4羽供試した。光線管理は8時点灯の14L10Dとし、通常の環境温度は20℃とした。部位別に採取した各脳組織のホモジナイズ上清のノルエピネフリン(NE)、エピネフリン(E)、ドーパミン(D)、セロトニン(5HT)およびアセチルコリン(ACh)濃度をHPLC-ECD法で分析した。 【結果】薬殺時には大脳のNE、5HTおよびACh、脳下垂体のDおよびAChが断頭時より有意(p<0.05)に低かった。明暗環境による違いは認められなかった。370あるいは600日齢時には大脳のNE、5HTおよびACh、間脳のNEおよびD、脳下垂体のDおよびAChが200日齢時より有意(P<0.05)に高かった。環境温度による違いは認められなかった。以上の結果、脳内アミン濃度は外部環境からの刺激に対して大きく変動しないものと考えられたが、薬殺あるいは加齢により変化する可能性が示唆された。
|