2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658077
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 正範 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (20124802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 幸則 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (10167017)
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Keywords | 脳内アミン / 脳内ペプチド / 鶏 / 光線管理 / エネルギー摂取 |
Research Abstract |
本研究では暑熱に対する鶏の反応性が飼育環境や加齢によって変動することを、種々の不快刺激下における脳内アミンおよびペプチドの動態を把握することにより解析することを目的とした。本年度においては、情動反応に関してアミンと密接な関係にある脳内β-エンドルフィン動態に及ぼす飼料摂取行動の影響を解析するために以下の実験を行った。 【目的】大脳および間脳におけるオピオイドペプチドであるβ-エンドルフィン濃度に及ぼす給餌方法の違いがもたらす影響を検討した。 【方法】実験には放卵状況が安定している白レグ系産卵鶏(200〜400日齢)32羽を供試した。光線管理は8時点灯の14L10Dとし、環境温度を20℃恒温とした。8時に飼料要求量を一括で給与した一括給餌区と、8時、11時30分、15時および18時30分に当分割給与した分割給餌区を設けた。慣熟飼育の後に9時、14時、20時および2時に供試鶏を断頭屠殺し、脳を摘出した。大脳と間脳部位のβ-エンドルフィン濃度を高速液体クロマトグラフィー電気化学検出器法で分析した。 【結果】大脳のβ-エンドルフィン濃度に一括給餌区で光線明暗間の差は認められなかったが、β-エンドルフィン濃度は14時に最も低く、20時に最も高い値を示した。分割給餌区で、β-エンドルフィン濃度は14時に高い値を、20時に最も低い値を示した。間脳のβ-エンドルフィン濃度は、一括給餌区で明期に時間経過的に上昇し、20時に最高値に達し、暗期に明期の半分の水準まで低下した。以上の結果、飼料摂取のリズム性の差異は情動反応に影響し、この効果は脳内アミンを介するものと考えられた。
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