2004 Fiscal Year Annual Research Report
三次元立体構成によるブタ脳特定部位へのカニュレーション法の開発
Project/Area Number |
15658089
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
矢野 史子 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30101249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 俊郎 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50110242)
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Keywords | ブタ / 脳 / 脳室 / カニュレーション / CT画像 / 三次元立体構成 |
Research Abstract |
脳を含むブタ頭部のCT連続画像および脳切断デジタル画像から三次元再構築した立体脳地図を作成し、脳特定部位へのカニュレーション手術の精度を高めることを目的としている。 複数の幼齢ブタ頭部より採取した全脳をホルマリン固定し、産業用CTスキャナーでCT連続画像を得た。同じ脳を寒天で固定後、約2mm厚で前頭面断したものを撮影し、デジタル連続画像を得た。 CT連続画像のうち脳室が明瞭な試料を選び、立体構成ソフトを用いて脳室部分を着色し、三次元立体構成した脳内部での脳室を可視化することができた。前頭面断や矢状断での脳室の位置、形の確認も可能であった。 また、同じ脳のCT連続画像から、脳外観および脳室を輪郭抽出し、X(縦),Y(幅),Z(深さ)軸上の点データをもとにサーフェース画像を作成することで、脳内部での脳室を可視化することができた。このデータはX, Y, Zの比率を変えることができ、大きさの異なる脳にシミュレートすることができる。また、脳表面の特定部位から脳室表面の特定部位の2点間の距離と挿入角度の算出も可能で、今後の脳カニュレーション手術の実施に、適切な情報を提供するものである。 デジタル連続画像からも3次元立体構成による脳外観を得たが、鮮明なものにはならなかった。しかし、切断面の内部構造は、脳室のみを表示するCTスキャン画像に比べてはるかに鮮明であった。今後は、脳試料の切断方法を改良し、脳内部構造の立体表示を試みるとともに、生体を用いた脳特定部位へのカニュレーションを実施する予定である。
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