2005 Fiscal Year Annual Research Report
三次元立体構成によるブタ脳特定部位へのカニュレーション法の開発
Project/Area Number |
15658089
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
矢野 史子 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30101249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 俊郎 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50110242)
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Keywords | ブタ / ミニブタ / 脳 / 脳室 / 三次元立体構成 / カニュレーション / コンピュータ |
Research Abstract |
研究対象として6.7kgから8kgの幼齢ミニブタを用いた。 1.ミニブタをネンブタール麻酔下で放血と殺し、頭骨内から全脳を摘出した。摘出した脳は10%ホルマリン溶液に1週間以上浸漬させ、CT画像取得の試料とした。脳室内のホルマリン溶液を十分に除去して、和歌山県工業技術センター所有の産業用X線CTスキャナー(TOSCANER24200AV)を用いて、0.5mmのスキャンピッチでCT撮影を行い、脳水平方向の切断画像70枚を得た。取得画像をパーソナルコンピューター用に変換した後、必要部分のトリミング、着色を1枚ごとに行った。本研究では、脳内での脳室の位置と形態を三次元表示することにした。三次元構築ソフトImageJとDeltaViewerを用いて、脳表面と脳室を立体表示したところ、昨年度の家畜子ブタの脳室の形態と類似性が高く、より鮮明で解像度の高い画像が得られた。 2.CTスキャン画像取得に使用した脳試料を4%寒天に包埋して、寒天ブロックを1mm厚でスライスし、寒天表面への脳露出部分を切断面としてデジタルカメラで撮影し、脳矢状断面のスライス画像78枚を得た。なお、試料台にX軸ステージを使用して撮影距離の調整を行った。デジタル画像の脳室部分を着色し、前述の三次元構成ソフトを用いて脳表面と脳室を立体表示した。切断画像を用いても、充分詳細な脳室立体画像が得られることがわかった。 3.昨年度に作成したブタ頭部と脳の立体図及び、輪郭抽出データから、頭蓋骨の冠状縫合線と脳室の位置を推定し、ミニブタを用いて脳室内へのカニュレーション手術を試みた。中心静脈用カテーテルキット(18G)を用いての挿入と脳室からの脳脊髄液の採取は可能であったが、血液が混入すること、カテーテルの維持が困難なことなど、今後の検討課題である。 4.上記のスライス断面画像を用いると、線条体、皮質、視床下部などの立体表示も可能になり、脳特定部位へのカニュレーション手術に有用な情報が提供できると考えられた。
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Research Products
(1 results)