2004 Fiscal Year Annual Research Report
組み換えH鎖抗体を用いた血液脳関門デリバリーによる脳炎の治療
Project/Area Number |
15658095
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90250498)
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Keywords | 一本鎖抗体 / ラクダ / リャマ / ラクダのサイトカイン |
Research Abstract |
抗体と毒素を人工的に結合させたイムノトキシンは癌治療に注目されている。そこで単クローン抗体産生細胞より抗体H鎖およびL鎖超可変領域のCD領域をクローニングし、遺伝子工学的に一本鎖抗体を構築した。一方、トキシンとしては緑膿菌から毒素遺伝子をクローニングし、組み換え緑膿菌毒素(PE38KDEL)を構築して一本鎖抗体と結合させイムノトキシンを作出した。このイムノトキシン遺伝子を大腸菌発現系を用い組み換え蛋白として発現させた。今回用いた単クローン抗体は鶏マレック病ウイルス(MDV)gBに対するものであり、MDVgB遺伝子発現細胞に対する作用を調べた。その結果、組み換えイムノトキシンはMDVgB発現細胞と特異的に結合し、緑膿菌毒素により細胞障害作用を示した。また組み換えイムノトキシンをMDVに処理するとMDVによるプラーク形成が顕著に阻害された。この成績はイムノトキシンが抗ウイルス活性のあることを示している。今後一本鎖抗体に結合させたイムノトキシンの抗腫瘍活性についても検討する予定である。 一方、リャマとラクダの免疫系を知る目的でリャマとラクダのサイトカイン遺伝子の解析を行った。方法は、末梢血リンパ球のmRNAから作成したcDNAより、牛・豚等の既知サイトカイン遺伝子の蛋白質コード領域の塩基配列をもとにプライマーを設計し、PCR法で増幅する方法である。この方法でこれまでにIL-1,2,4,6,8,10,12の他、IFNγ、TNFαなど多くのサイトカイン遺伝子を明らかにした。またReal-time PCRによる定量法を確立しラクダでのブルセラ菌感染に対するサイトカインプロファイルの変化を明らかにした。すなわちブルセラ菌生ワクチン接種ラクダではTh1系サイトカインの顕著な活性化がみられた。
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Research Products
(3 results)