2003 Fiscal Year Annual Research Report
乾物生産量と蒸発散量の計測に基づく共生窒素固定量の推定法確立に向けての基礎的研究
Project/Area Number |
15658103
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
角 明夫 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70154622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱山 晋 鹿児島大学, 農学部, 教授 (20091374)
|
Keywords | 乾物生産 / 共生窒素固定 / 根粒超着生系統 / 根粒非着生系統 / 硝酸阻害 / 蒸発散量 / 地面蒸発量 / マメ科作物 |
Research Abstract |
乾物生産量と蒸発散量の計測から共生窒素固定量を推定する方法について検討を行い、以下の結果を得た。 1.ダイズの根粒非着生系統T201と根粒着生系統T202とを数種の窒素条件下で栽培した。乾物生産量と蒸発散量の間の直線関係に注目したとき、両系統の間の無効蒸発散量(乾物生産量が0のときの蒸発散量)に差異が認められ、またこの差に相当する乾物消費コストと共生窒素固定量との問に比例関係を認めた。根粒着生および共生窒素固定量に差異を誘導することを目的として、ソラマメとラッカセイを多窒素と少窒素の2条件で栽培したときにも上記と同様の関係が認められた。乾物消費コストと共生窒素固定量の間の比例関係から推定した窒素固定コストは約210MJ/kg Nであった. 2.現在窒素分析中であるが、ダイズの根粒非着生系統「En1282」、正常系統「エンレイ」、および超着生系統「作系4号」の間の「乾物生産量-蒸発散量関係」に差異が認められた。また、ヘアリーベッチを少窒素および多窒素条件下で栽培したときにおいても「乾物生産量-蒸発散量関係」に違いが認められた。 3.葉切除によってC/F比を物理的に制御したとき、蒸散係数は有意に増加した。また、乾物生産量と蒸発散量の問に認められる直線関係における比例係数(蒸散係数)は生育ステージとともに変化し、さらにこの変化は生育ステージの進展に伴うC/F比の増大と関連づけられた。 4.裸地面蒸発量に関連する気象要因としては、とくに日射量と飽差の影響が大きいことがわかった。現在、圃場でソラマメを栽培し、生育に伴う裸地面蒸発量の変化とその関連要因を調査中である。
|
-
[Publications] 角明夫, 箱山晋, 村上晃平, 朝比奈愛, 村田和代, 桑原廣隆, 片山忠夫: "ダイズの「乾物生産量-蒸発散量閣係」に着目した共生窒泰固定量推定の可能性"日本作物学会紀事. 第72巻・第3号. 333-338 (2003)
-
[Publications] 角明夫, 箱山晋, 村田和代, 朝比奈愛, 下敷領耕一: "ダイズの乾物生産と共生窒素固定"日本作物学会紀事. 第72巻・別号2. 156-157 (2003)
-
[Publications] 森彩恵, 角明夫, 箱山晋, 下敷領耕一: "生育に伴うダイズの蒸散係数とC/F抗の変化の関連性"日本作物学会紀事. 第72巻・別号2. 164-165 (2003)