2005 Fiscal Year Annual Research Report
乾物生産量と蒸発散量の計測に基づく共生窒素固定量の推定法確立に向けての基礎的研究
Project/Area Number |
15658103
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
角 明夫 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70154622)
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Keywords | 乾物生産量 / 共生窒素固定 / 蒸散 / 光合成比 / 蒸散係数 / 蒸発散量 / ダイズ / 飽差 / ラッカセイ |
Research Abstract |
乾物生産量(W)と蒸発散量(ET)との計測値から共生窒素(N)固定量を評価する可能性と方法について検討を行い,下記の結果を得た. 1.ラッカセイの根粒着生系統Terapoto ^+nodと非着生系統Terapoto ^-nodを供試して,両系統の乾物生産量(W)-蒸発散量(ET)関係を比較した.乾物生産量が一定値以上になったときTerapoto ^+nodはTerapoto ^-nodで認められたW-ET関係よりも同一のWに達するのに多くのETを必要とするようになった.また,両系統間のET差はN差法によって推定されたN固定量と高い相関関係にあった. 2.蒸散係数の律速要因を解明することは,WとETの計測から共生N固定量を評価するに際して重要な課題である.ダイズ品種フクユタカを4月下旬から10月初旬まで9時期に分けて播種・栽培し,蒸散係数の変動と気象要因の関係を検討した.蒸散係数と生育期間中の平均飽差との間には有意な相関関係が認められ,フクユタカにおける比例係数として9.1g g^<-1> hPa^<-1>(30hPa条件下で273g g^<-1>)を得た. 3.根粒非着生系統T201に接木することによって窒素固定の多少が蒸散係数に影響しないように配慮して,原産地を異にするダイズ17系統の蒸散係数を比較した.供試系統の蒸散係数は324から266g g^<-1>の範囲にあり,多くの場合において有意差を検出することはできなかった.また,前年度に引き続いて蒸散/光合成比(ΔTr/ΔPn)は必ずしも蒸散係数変動の良い指標とはなりえないことが示唆された.
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Research Products
(4 results)