2004 Fiscal Year Annual Research Report
ビスグアニジン型分子結晶からの新知見:オルト置換ベンゼンは軸不斉化合物となり得るか?
Project/Area Number |
15659001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石川 勉 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20114233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 健太郎 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (50159208)
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Keywords | ビスグアニジン / 分子結晶 / キラルベンゼン / 軸不斉 / 光学分割 / 計算化学 / 回転エネルギー |
Research Abstract |
1,2-ジアミノベンゼン誘導体と塩化2-クロロー1,3-ジメチルイミダゾリジニウム誘導体を反応させることで合成したビスグアニジン型化合物に、「軸不斉キラルベンゼン誘導体」としての可能性を追求し、ユニークなビスグアニジン型不斉補助剤の開発を試みた。 (I)前年度合成した3,6-ジブロム誘導体を拠りどころにしたそのものについてのキラルカラムによる分離や官能基化など種々検討したが、いずれも成功しなかった。そこで対称性分子を非対称にすることでより分離が達成し易くなるのではないかと考え、4位にブロム、ホルミルやヒドロキシメチル基などのC1ユニットを有すビスグアニジン型化合物、そして3-ヒドロキシプロピルなどのC3ユニットを有すビスグアニジン型化合物をそれぞれ合成した。現在これらビスグアニジン型化合物について、各種キラル有機酸を用いた分子結晶ジアステレオマーの形成を検討している。 (II)一方、これらビスグアニジン型化合物の光学分割の可能性について、計算化学からのアプローチも試みた。即ち、塩化2-クロロ-1,3-ジエチルイミダゾリジニウムを対応するイミダゾリジノンから合成した後、1,2-ジアミノベンゼンと反応させ、グアニジン窒素上の置換基をメチル基よりも大きなエチル基に変えたビスグアニジン型化合物を合成した。このエチル置換ビスグアニジン型化合物について、その二つのグアニジン基を回転させた際に生じる回転障壁エネルギーを計算した。その結果、多少流動的ではあるものの、ビスグアニジン型化合物は光学分割が可能であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)