2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン/デルマタン硫酸の神経突起伸長促進機能とその分子メカニズム
Project/Area Number |
15659021
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 雅久 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20330425)
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70240017)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 / 神経突起伸長 / 増殖因子 / 脳 / アピカン / イズロン酸 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
海産動物の組織(ヌタウナギ脊索、ホヤ、ウニ)から単離した多硫酸化デルマタン硫酸(DS)がマウスの海馬ニューロンに対して神経突起伸長促進活性を示すことを明らかにした。これらのDSは異なる硫酸化パターンを示し、突起の長さと本数に異なる特徴がみられ、構造と活性の相関性が判明した。また、新生マウスの脳から精製したコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CS-PG)であるDSD-1-PG/フォスファカンのCS鎖が実はイズロン酸を含み、活性に関与していることが分かった。ウニの胚のDSには活性があったが、adultのDSにはなかった。 そこで、ブタの胎児と成体の脳からCSとDSを含む画分を調製し、構造と活性を解析した。分子量も二糖組成も類似していたが、イズロン酸の含量に違いが見られ、成体試料では総ウロン酸の1%以下、胎児の試料では8〜9%含量が高く、CS/DSハイブリッド鎖であった。胎児のこの試料では、強い神経突起伸長促進活性が観察されたが、成体の試料では弱い活性しかなかった。また、胎児試料の活性は、CS/DSハイブリッド構造が重要であることが分かった。また、胎児の試料は、プライオトロフィン、ミッドカイン、FGF-2、FGF-10、FGF-18などの種々の増殖因子と、成体の試料と比較して格段に高い結合能を有し、しかも強い親和性で相互作用し、それらの結合にもイズロン酸を含むドメインが深く関わっていることが判明した。 CS-PGであるアミロイド前駆体タンパク質アピカンの組み換えタンパク質をラットC6グリオーマ細胞で発現させたところ、CS鎖にはいわゆるE二糖単位が14%も含まれ、ミッドカインとプライオトロフィンに特異的に結合した、。一方、ヒトニューロブラストーマ細胞SH-SY5Yで発現させた場合には、E二糖単位含量は皆無で、増殖因子との結合も見られなかったので、増殖因子との結合にE二糖単位が必須と考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 菅原 一幸: "Recent advances in the structural biology of chondroitin sulfate and dermatan sulfate."Curr.Opin.Struct.Biol.. 13. 612-620 (2003)
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[Publications] 引野 めぐみ: "Oversulfated dermatan sulfate exhibits neurite outgrowth-promoting activity toward embryonic mouse hippocampal neurons : Implication of dermatan sulfate for neuritogenesis."J.Biol.Chem.. 278(44). 43744-43754 (2003)
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[Publications] 鮑 幸峰: "Chondroitin sulfate/dermatan sulfate hybrid chains from embryonic pig brains, which contain a higher proportion of L-iduronic acid than those from the adult pig brains, exhibit neuritogenic and growth factor-binding activities."J.Biol.Chem.. 278(11). 9765-9776 (2004)
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[Publications] 梅原 裕子: "Specific interaction of neuroregulatory factors with chondroitin sulfate chain of appican, the proteoglycan form of the amyloid precursor protein."FEBS Lett.. 557(1-3). 233-238 (2004)
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[Publications] 村松 喬: "Methods in Enzymol.(vol.363, pp.365-376)"Academic Press, New York. 625 (2003)