2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病線維型アミロイドβペプチド分解酵素の検索
Project/Area Number |
15659022
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩田 修永 独立行政法人理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, 副チームリーダー (70246213)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドペプチド / 線維型 / マトリックスメタロプロテアーゼ / プラスミノーゲンアクチベーター / 分解酵素 / アミロイド前駆体蛋白質 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
アミロイドβペプチド(Aβ)はアルツハイマー病(AD)患者脳で疾患特異的に観察される老人斑の主成分であり、Aβ蓄積はAD脳で観察される様々な病理変化の最上流に位置し、進行的な神経細胞の機能障害と脱落の引き金となる.従って、ADの根本的克服のためには脳内Aβレベルを低下させる必要がある.凝集・線維化により老人斑を形成したAβの分解過程には、分泌型Aβに作用して定常レベルを規定するネプリライシンとは異なる分解システムが存在すると考えられる.活性型マイクログリアの貪食作用はそれに相当するが、細胞外に存在する複数のプロテアーゼにも老人斑の分解能力が推定される。マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)や組織型プラスミノージェンアクチベーター(tPA)は細胞外でマトリックスを形成するタンパク質を分解することから、凝集・線維化Aβ分解酵素の有力な候補になる.本研究では、変異型アミロイド前駆体蛋白質(amyloid precursor protein ; APP)-トランスジェニックマウスとMMP2欠損マウスまたはtPA欠損マウスとの交配を行い、これらのプロテアーゼの欠損によって脳内Aβ蓄積が加速するか否かについて検討した.本年度は、これらの交配動物から経時的に(最長24ヶ月齢)脳摘出を行い、Aβに特異的な抗体を用いるELISAにて海馬におけるAβ量の変化を測定した.APP遺伝子が導入された遺伝的背景においてMMP2欠損(+/-)またはtPA(+/-)欠損のどちらにおいても、APPトランスジェニックマウスと比較し、有意なAβ量の変化は認められなかった.従って、現段階においては、線維型Aβクリアランスに対するこれらのプロテアーゼの関与は低いと考えられる.しかし、部位特異的な関与も考慮し、本研究助成終了後も大脳皮質等におけるAβ量の変化について解析する予定である.
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Research Products
(6 results)