2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久芳 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80225531)
長澤 和夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10247223)
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Keywords | シクロオキシゲナーゼ / 一酸化窒素合成酵素 / 阻害剤 / サリドマイド / 構造展開 / フタルイミド / グルコシダーゼ / 構造活性相関 |
Research Abstract |
サリドマイドの糖尿病に対する有効性は、従来、その腫瘍壊死因子(TNF)-αの生産抑制作用によるものとされていた。そうした観点から、サリドマイドをリードにして、催奇形性のない強力なTNF-α生産抑制剤を創製したが、それらはサリドマイドの持つ抗糖尿病作用を再現しなかった。そこで、サリドマイドにTNF-α生産系以外の、抗糖尿病作用に関わる薬物標的事象を設定するところとなった。今年度は、α-グルコシダーゼ阻害、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害、を標的事象とした構造展開を遂行した。 その結果、(1)昨年度までに得られていたテトラクロロフタルイミド型α-グルコシダーゼ阻害剤の構造活性相関解析、並びにそれを元にした蛍光性バイオプローブの創製、(2)創製したバイオプローブを用いての、α-グルコシダーゼの可視化検出法の開発、(3)サリドマイド自体に、アスピリンには劣るものの、確実にシクロオキシゲナーゼ阻害活性のあることの確認、(4)フタルイミド型、ホモフタルイミド型、およびイソインロール型の新規シクロオキシゲナーゼ阻害剤の創製並びにその構造活性相関に関する部分的解答を得ること、(5)上記各種シクロオキシゲナーゼ阻害剤に関する、シクロオキシゲナーゼサブタイプ(COX-1 vs. COX-2)選択性を分離した阻害剤の分子設計関わる初歩的な経験則の構築、(6)非アミノ酸型・フタルイミド型新規一酸化窒素合成阻害剤の創製、などの成果を上げることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 橋本祐一: "サリドマイドの薬理作用とその構造展開"血液フロンティア. 13・7. 883-893 (2003)
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[Publications] Hiroki Kakuta, 他3名: "Fluorescent bioprobes for visualization of puromycin-sensitive aminopeptidase in living cells"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 13・1. 83-86 (2003)
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[Publications] Toshiyasu Ishioka, 他3名: "Androgen antagonists with full antagonistic activity toward human prostate tumor LNCaP cells with mutated androgen receptor"Bioorganic & Medicinal Chemistry letters. 13・16. 2655-2658 (2003)
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[Publications] Mamiko Suizu, 他6名: "Cyclooxygenase inhibitors derived from thalidomide"Chemical& Pharmaceutical Bulletin. 51・9. 1098-1102 (2003)
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[Publications] Hiroki Kakuta, 他3名: "Specific nonpeptide inhibitors of puromycin-sensitive aminopeptidase with a 2,4(1H,3H)-quinazolinedione skeleton"Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 51・11. 1273-1282 (2003)
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[Publications] 長澤和夫, 橋本祐一: "サリドマイドの構造展開と活性拡張"細胞工学. 22・2. 152-155 (2003)