2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 和夫 東京農工大学, 工学部生命科学, 助教授 (10247223)
小林 久芳 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80225531)
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Keywords | サリドマイド / 代謝物 / 分化誘導促進活性 / 腫瘍壊死因子 / 構造展開 / シクロオキシゲナーゼ / ヒストンデアセチラーゼ / 構造活性相関 |
Research Abstract |
サリドマイドの、これまで知られていなかったいくつかの生物活性を発見し、引き続きサリドマイド関連化合物の構造展開研究を遂行した。その結果、 (i)サリドマイド自体に、レチノイン酸や活性型ビタミンD_3で誘導される未分化血液細胞の分化を促進する活性を見出した。 (ii)上記細胞分化誘導促進活性は、サリドマイドの主要な代謝物である、5位水酸化体ならびにN水酸化体、においても維持されていることを見出した。 (iii)サリドマイドの既知の代謝物20種の網羅的合成を行い、そのほとんどに、上記分化誘導促進活性が維持されていることを確認した。しかし、TNF-α生産抑制作用は、一部の代謝物にしか確認できなかった。 (iv)上記細胞分化誘導促進活性は、フォルボールエステル(TPA)やヘミン等による細胞分化誘導系においては観察されず、同活性が核内受容体経路が関与する細胞分化誘導に一般的である可能性を示唆した。 (v)上記のサリドマイドの代謝物、5位水酸化体ならびにN水酸化体、が、チュブリン重合阻害活性を有することを発見した。 (vi)上記サリドマイド代謝物をリードとして、新規かつ強力なチュブリン重合阻害剤、5HPP-33、ならびにビタミンD様細胞分化誘導剤、5APP-33、を創製した。 (vii)サリドマイドの構造展開により、イソインドロン型新規血管新生阻害剤、インドール・インドリン型新規シクロオキシゲナーゼ阻害剤、フタルイミド型新規ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が創製出来た。
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