2004 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞を神経細胞に分化転換させる方法の開発-自己再生を目指して-
Project/Area Number |
15659044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出澤 真理 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50272323)
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40244496)
松本 直也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50359808)
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Keywords | 皮膚 / 神経誘導 / 分化転換 / 移植 / 再生医学 / サイトカイン / 腫瘍抑制因子 |
Research Abstract |
皮膚細胞は採取がもっとも容易な体細胞であり、倫理上の問題が無く、また患者本人から採取可能である。我々はNotch遺伝子を用いた骨髄間質細胞からの神経分化やVHL遺伝子による神経幹細胞からの神経誘導を行ってきたが、今回新たに別種の細胞である皮膚細胞に着目し、選択的に神経細胞に分化転換する技術開発を試みた.皮膚細胞は神経組織と同じく外胚様由来であるために、神経系細胞への文化転換が期待できると考えたからである。 ラットおよびヒトのメラノサイト(いずれもBiotWhittakerより購入)、またラット胎児の表皮細胞を培養した。これらの細胞に、以下の二つの方法を試みた。 1)アデノウイルスに組み込んだVHL遺伝子(von Hippel Lindau (VHL)腫瘍抑制遺伝子)をこれらの細胞に導入し、cAMPの上昇作用をもたらすForskolin, basic FGFの因子を組み合わせて同時投与を行った. 2)Notch細胞質ドメイン(Notch intracellular domain)をpCI-neo vecterに組み込み、lipofectionによって導入する。その後G418を用いて導入された細胞を選択し、増殖の回復を待ってから60%conflucencyに継代培養し、Forskolin, basic FGFを投与する。特定の遺伝子(von Hippel Lindau(VHL)腫瘍抑制遺伝子)を導入することによって、神経細胞が誘導出来ることを確認している。 これらの結果、2)の方法では皮膚細胞の形態的な変化は認められなかった。しかし1)によってメラノサイトからは突起伸長などの神経様の形態変化が見られた。また神経マーカーであるMAP2, neurofilamentの発現が認められた。しかしbetaa 3-tubulinやNeuNの発現は検出できなかった。Brd-U取り込み実験ではpost-mitotic neuronである確証は取れなかった。 皮膚細胞は高度に分化し、生体において特定の機能を果たしている細胞である。この細胞を機能的な神経細胞に分化転換させるには、エピジェネチックな制御を含めたアプローチが必要であると推察される。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Specific induction of neuronal cells from bone-marrow stromal cells and application for autologous transplantation.2004
Author(s)
Dezawa M, Kanno H, Hoshino M, Cho H, Matsumoto N, Itokazu Y, Tajima N, Yamada H, Sawada H, Ishikawa H, Mimura T, Kitada M, Suzuki Y, Ide
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Journal Title
J.Clin.Invest. 113
Pages: 1701-1710
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[Journal Article] Tlx, an Orphan Nuclear Receptor, is Critical for the Control of Cell Numbers and Astrocyte Development in the Developing Retina.2004
Author(s)
Miyawaki T, Uemura A, Dezawa M, Yu S, Ide C, Nishikawa S, Honda Y, Tanabe Y, Tanabe T.
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Journal Title
J.Neurosci. 24
Pages: 8124-8134
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