2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659045
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 均 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158813)
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Keywords | 時計遺伝子 / 皮膚 / 細胞分裂 / ケラチノサイト / 末梢臓器 |
Research Abstract |
時計遺伝子の発見とともに、体内時計のある視交叉上核以外の臓器の時計遺伝子のリズムが注目された。この末梢臓器における時計機構の発見により、体内の24時間リズムは、視床下部の視交叉上核を頂点とし、他の神経系や内分泌系を中間とし、末梢臓器を底辺とする階層的時計機構により精妙に制御されていることが想定されている。 皮膚においては、代謝・血管・運動・立毛・発汗・細胞分裂像が日内リズムを呈する事は知られているが、体系的に検索はされていない。今回我々は、正常マウスにおける時計遺伝子の日内リズムを検索した。その結果、時計遺伝子mPer1,mPer2の皮膚における日周変動を、ノーザンブロットにて4時間毎、12時間明・12時間暗の明暗条件下で検索すると、著明な昼夜差が認められた。次に、これらの変化が、光刺激によるものか、内因性リズムによるものかを判別するため、恒常暗条件下で検索しても、著明な昼夜差が認められた。この結果は、皮膚にも内因性リズムが存在すること、時計のコア・ループによる発振が行われていることを示唆する。 また、哺乳類時計遺伝子の中でリズム発振に最も重要な遺伝子と目されるmPer2遺伝子の産物であるmPER2蛋白質に対する特異的抗血清を用いて、皮膚におけるサーカディアンリズムを検索した。ケラチノサイトに時計遺伝子が体内時計の夜の時間に強く発現していることを見出した。これは、上記のノーザンブロットの結果とよく一致して、転写の増大は、時計蛋白の増大を引き起こすことを示している。これらの研究は、皮膚の生理機能(代謝・血管・運動・立毛・発汗・皮膚温・皮膚血流・ケラチノサイトの細胞分裂)のサーカディアンリズムの遺伝子レベルでの制御機構の理解に貢献した。
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Research Products
(7 results)