2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己寛容をコントロールする新しい転写因子FOXP3の胸腺における機能の解明
Project/Area Number |
15659090
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩渕 和也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20184898)
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Keywords | 自己寛容 / 抑制性T細胞 / FOXP3 / 胸腺 / IPEX / 自己反応性 / scurfy / キメラ |
Research Abstract |
1)sfマウス新生児〜幼若マウス胸腺(♂:sf/Y)を1.35mM deoxyguanosineで5〜7日培養したものを、まずeuthymicであるB6.Thy1.1マウスに移植したところ、皮膚病変・脾腫・リンパ節腫脹などを認めなかった(生存率5/6;83%)。フローサイトメトリーの結果、移植片の胸腺フレームワークから持ち込まれたと考えられるThy1.2^+ T細胞は存在したが、自己免疫病態は示さなかった。一方B6-nu/nuの腎被膜下に移植した場合においても、一部のマウスで移植早期に一過性の著しい皮膚の紅潮を来したマウスが出現したが、いずれもself-limitingであった。9ヶ月後の生存率は7/9(78%)で、生残宿主においてはscurfyに認められるような落屑性皮膚炎症状などは認められなかった。以上の胸腺移植実験から、Tregは胸腺上皮細胞により選択され分化する亜群であるが、sfマウス由来胸腺上皮細胞が積極的にT細胞に自己反応性を賦与するような機構は存在しないことが判明した。 2)sfマウスにおいてNK1.1^+TCRαβ^+分画は、胸腺・脾臓において割合が増加していた。特に、胸腺においては、対照0.1%に対し2.6%と著明に増大していたが、これは主にCD4^+8^+細胞分画の減少(85%→30%)による相対的な変化と、delectionへの抵抗性などが考えられた。Tregの機能不全が存在する状態で、NKT細胞が自己免疫病態に対してどのような影響を及ぼしているかは引き続き解析が必要であり、B6.CD1d^<-/->とB6.Cg-foxp3^<sf>との交配を行ってfoxp3^<sf>/CD1d^<-/->を作製、自己免疫病態がどのような影響を受けるかを検索中である。
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Research Products
(9 results)