2004 Fiscal Year Annual Research Report
住血吸虫性肝線維化を調節するT細胞を刺激する虫卵抗原の同定
Project/Area Number |
15659101
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 幹次 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70325679)
菊池 三穂子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40336186)
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Keywords | 日本住血吸虫 / 虫卵抗原 / 分泌抗原 / シグナルシーケンストラップ / 肝硬変 |
Research Abstract |
日本住血吸虫症は感染を繰り返した結果、感染数年後に生ずる肝硬変が致死的となる。この肝硬変は肝臓の虫卵から分泌される抗原に対しておこる生体防御反応の結果であるが、その発症機構の詳細は解明されていない。虫卵から得たmRNAから分泌性抗原としてステージ特異的に発現している分子をレトロウィルス発現系を用いてスクリーニングし、肝臓における免疫応答性を制御する虫卵由来のターゲット分子を得る事を目的とした。中国大陸株日本住血吸虫感染マウスの肝臓から抽出した虫卵からmRNAを抽出しcDNAライブラリーを構築しこれをレトロウィルスパッケージングベクターと共に細胞に遺伝子導入し、一過性のウィルス粒子を産生させたあと、IL-3依存性の変異細胞を用いて、シグナル遺伝子配列が導入されたウィルス粒子が感染した細胞のみを増殖させる事によって、スクリーリングを行い、得られた陽性細胞から挿入された住血吸虫由来のcDNAの塩基配列を決定し解析した。その結果、207個に虫卵由来のcDNA配列が挿入されていることを確認した。そのうち195個についてクローニングすることができた。151クローンについての塩基配列解析を行い、4つのカテゴリーに分類した。すなわち 1)住血吸虫の分泌蛋白として塩基配列及び機能がすでに報告されている分子 2)住血吸虫の分泌蛋白として塩基配列がすでに報告されているが機能は報告されていない分子 3)塩基配列と蛋白としての機能の報告されているが、住血吸虫ではまだ報告されていない分子 4)塩基配列も機能についてもまったく報告されていない分子 これらの結果からこのシグナル配列トラップ法は未知の分子の探索として非常に有用であることが明らかとなった。現在、得られたクローンから組み換え蛋白を作成した。今後、この組み換え蛋白を用いて住血吸虫症患者から分離したT細胞を刺激し、その免疫応答性について解析を行う。
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Research Products
(3 results)