Research Abstract |
本研究課題の中で、がんの診断(特に一次スクリーニング)の普遍的バイオマーカーとしての診断学的感度を実際の検体を収集して検討した。腫瘍細胞内のSurvivinの定量は、腫瘍細胞内から分離したtotal RNA中のsurvivin mRNAをreal-time RT-PCRにて絶対性定量にて測定した。定量の精度を保つ上で重要なRNAの質、primer/probeの適切性などを検討して測定系をsetupした。 同時に血清中のsurvivin蛋白についてもmRNAのsurrogaiteとしてのmarkerになりうるか否かの検討を行った。 対象:113例の白血病(ATL 63, ALL 13, AML 30, CML crisis 7, CLL 10), healthy 17, cell lines 22 plasama ; solid tumors 50 結果:(1)survivin mRNA定量値はnormal PBMCで0.9+-0.7 x 10#3/50ng total RNAで、ATL,ALL,AML,CML,CLLで各々normal PBMCの57倍、30倍、11倍、20倍、1.6倍であった。 (2)PBMCの+2SDをCOVとして、ATL,ALL,AML,CML,CLLで92,92,75,85,10%がscreeningされた。 (3)GAPDHで標準化されたsurvivinの定量値で再検討するとATL,ALL,AML,CML,CLLで98,92,25,42,10%のscreening率となり、特に、AML,CMLの偽陰性化が判明した。この原因として、細胞種でhouse keeping geneでもtotal RNA量当たりの発現量が異なることに起因することが明らかとなった。 (4)健常者のserum surivivn蛋白量から130ng/mlをCOVとして、ATLの61.8%、固形癌の28.0%がscreeningされた。このmRNAと蛋白の結果の解離は、in vitroの研究から細胞内から血清へ分泌されにくい蛋白と推察された。 次年度は、検査部門として測定法の問題点(RNA quality, denominator, normalizerなど)と治療等について検討を予定している。
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