2003 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国都市スラムの結核、エイズ対策への地理情報システム(GIS)導入の試み
Project/Area Number |
15659147
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 宏 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20091704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 玲子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30345524)
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Keywords | GIS(地理情報システム) / 結核 / エイズ / 都市スラム / 発展途上国 |
Research Abstract |
第一年度の第1の目的は、発展途上国においてGIS(地理情報システム)が導入可能かである。研究対象地域であるアフリカ、ザンビアの首都ルサカ市には通常の地図はあるが、本研究で用いるコンピューターシステムと直結するシステムはない。今回、人工衛星から撮影した画像をデジタル地図にした。調査対象とする一つのスラム地域のみならず、今後の研究対象の広がりを考慮し、ルサカ市全域の地図を作製した。作成後、目印となる施設、建物も出来る限り記入した。 第2の目的は、研究地域となるスラム内住民の居住地をGISの地図上に連結することである。住宅には詳細な住所はなく、地域の約3,000世帯の地図への挿入には、家庭訪問時にGPS(全地球側位システム)を用いて計測し、それを上記のデジタル地図に表現できるようにした。 第3の目的は、上記の住所と個々の住宅に合わせた調査地域の住民情報、即ち地図情報に連結することである。家庭訪問時に個々の住宅の家族構成、経済状況、教育状況、栄養・疾病情報、子供の成育とサービス情報などを採取した。更には他の調査で既に蓄積されている情報を出来る限り今回のGISシステムに連結できるように現在作業を続行中である。 本年の大きな目標となる第1と第2が達成できた。現在第3の目標を進行中である。今回収集し、入力された情報の精度、多様性が今後の研究の進展を左右するので真重に行っている。また、多くの情報をGISの地図上へ表示するだけでなく、解析の方法も検討中である。これらの様々な活動と連動し、本方式を今後推進するザンビアの専門家も育成に心がけている。
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