2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本の医療に応用した糖尿病の疾患管理プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
15659151
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
今井 博久 宮崎大学, 医学部, 講師 (20316631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 裕之 宮崎大学, 医学部, 助手 (40336293)
加藤 貴彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70169506)
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Keywords | 糖尿病 / 耐糖能異常 / 疾病管理 / 職域 / 心理行動科学 / トリアージ / プログラム |
Research Abstract |
平成15年度:第1年度 パイロット・スタディの進展状況 米国での新規プログラムの開発経験に基づいて小規模かつ確実な対象者から、パイロット・スタディを開始した。初年度は患者管理がしやすい、データ把握が確実であるなどの理由により、職域集団を対象者とした。また疾病管理プログラム開発班を宮崎大学医学部公衆衛生学講座内に設置した。現在までの進行状況は以下のようになっている。対象:宮崎沖電気株式会社(約1400名)、王子製紙日南工場(約600名)の参加を得た。イニシアル・スクリーニング:患者の同定とプログラム参加のインフォームド・コンセント(IC)を書面により得た。患者の病状のスコアリング:患者の臨床データ(血糖値、HbA1c BMI)、過去のイヴェント、などを定期健康診断時に得た。独自の質問票を作成して、患者の健康に対する態度や考え方の情報を得た。空腹時血糖値≧110mg/dlは、男性40歳以上で14.3%、女性40歳以上で7.3%いた。男性は女性の2倍で7人に1人が耐糖能異常であった。BMIと血糖値の関係を見ると、男性で1.70(1.19-2.42)**、女性で5.50(1.41-21.45)**であった。BMIという簡単な指標を利用できることがわかった。運動習慣と耐糖能異常との間には有意な関連性は認められなかった。同様に食生活でも認められなかった。良好な健康観(健康を積極的に維持したい)や保健指導を肯定的に捉える人と健康や保健に関心がない人で差があった。米国で採用されていた心理行動科学的アプローチも日本の疾病管理プログラム組み込めることを示唆する結果を得た。第2年度は、第1年度に得られた結果に基づいて耐糖能異常の患者群を「I軽度介入」「II中度介入」「III強度介入」にトリアージし、体重コントロール指導、教育強化、自己血糖測定機器使用、訪問指導などの介入内容を実施する。日本の医療に応用できる糖尿病の疾病管理プログラムの開発を目指す。
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