2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本の医療に対応した糖尿病の疾病管理プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
15659151
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70169506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 博久 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20316631)
中尾 裕之 宮崎大学, 医学部, 助手 (40336293)
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Keywords | 疾病管理 / 糖尿病 / 地域医療 / 効果 / 効率 / 多職種 / 患者アウトカム / 医療費 |
Research Abstract |
90年代半ばに最初に米国で開発された疾病管理プログラムを、日本の地域ケアに応用できる糖尿病疾病管理プログラムを開発することを目的とした。地元の医師、市町村保健師、公的な健康推進団体に属する健康運動指導士・管理栄養士らによる疾病管理プログラムのプロトタイプ(原型)の開発を試み、実際に地域の糖尿病患者を対象にして実施した。 一般的な疾病管理プログラムの開発の手順として、(1)実施地域の同定、(2)糖尿病プログラムの参加者の同定、(3)プロトコールの開発、(4)正確な費用算定、(5)情報管理活用の整備、(6)最適な人員の確保と配置、などに従って地域の実情に基づいて実施可能なプログラムの開発を試みた。検討項目として、1)疾病管理の概念を開発担当メンバー内で検討、2)糖尿病プログラムの基本事項:対象者の設定、検査項目、定期的に行うモニターの頻度と内容、効果の基準の決定、評価目的のための情報、患者の意思決定の明記、満足度測定などについての協議、3)多職種による介入の役割分担を検討して最適な人員の確保と配置を検討してプロトタイプ(原型)を開発した。 宮崎県のある町にある1つの地区をプログラム実施の対象地域として疾病管理プログラムをパイロット的に試みた。対象者を3グループにトリアージし、軽症の患者には資源をあまり投下せず、中から重症の患者に資源を投下することにし、効果と効率を確保できる内容にした。患者教育を中心に据えて多職種の専門家が病態生理から生活習慣の改善までの系統立てた健康講話、自己血糖測定器・歩数計・体重計などを活用し月1回のモニター、参加できない人への訪問ケア、といった内容のプログラムを開発した。 開発に際して1)開発メンバーの共通認識に時間がかかった、2)理念が先行して具体的内容を組み立てることが難しかった、3)住民の参加コンプライアンスをいかに維持していくか、4)実施責任母体はだれが担うか、などが今後の課題となった。
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Research Products
(2 results)