2003 Fiscal Year Annual Research Report
圧負荷心筋肥大における核骨格による情報伝達、及び遺伝子発現制御の研究
Project/Area Number |
15659189
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
土屋 博 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40188579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 正幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50028677)
岩井 邦充 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40243274)
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Keywords | 圧負荷心筋肥大 / 核骨格 / 細胞内情報伝達 / 遺伝子発現制御 / プロモーター / サウスウエスタン法 / クロスリンク / 2次元電気泳動 |
Research Abstract |
(目的) 心筋が圧負荷あるいは伸展刺激により肥大および形質転換を行う際、情報が核骨格を通じて直接、遺伝子のプロモーター部分に作用する可能性を検討する。実験目標は、圧負荷あるいは伸展刺激によりプロモーターに近接・結合する核骨格蛋白を同定することである。 (方法および現在までの結果) 1.ラット上行大動脈狭窄心肥大モデルにおいてBNPプロモーターに結合する核骨格蛋白の同定(in vitroサウスウエスタン法):WKYラットを麻酔人工呼吸管理下に左肋間開胸し、上行大動脈を狭窄させる手術を行った。狭窄30分後に心臓を取り出し、心筋組織をホモゲナイズし、脱核し、スクロース密度勾配遠心により核のみ回収した。界面活性剤、DNAse、硫安、高濃度NaClにて抽出、核骨格分画を精製した。SDS-PAGEを行い、ニトロセルロースフィルター上に転写、^<32>PラベルBNPプロモーターとin vitroで反応させた。洗浄後、オートラジオグラフィーを行った。その結果、約120kDの蛋白が有意に結合した。今後、対照心筋から採った核蛋白の場合との差、および肥大刺激後各時間経過で結合程度が変化するかどうかを検討する予定である。 2.ラット培養心筋細胞伸展刺激によりDNAに近接する核骨格蛋白の同定(シスプラチンクロスリンク法):本年度は、まずクロスリンクを行わないで、抽出核骨格蛋白を2次元電気泳動する条件の検討を目標とした。胎児WKYラット心筋細胞を培養した。細胞をハーベストし、ホモゲナイズ、脱核した。界面活性剤、DNAse、硫安、高濃度NaClにて中間径フィラメントと核骨格を抽出した。尿素に溶解し、再び低塩バッファーで透析し、核骨格分画のみを精製した。2次元電気泳動を行い、銀染色にてスポットを十数個同定しえた。その中には抗原性が核膜裏打ち蛋白ラミンと交差しない、約6kDと4kDの蛋白がメジャーに存在した。今後は、クロスリンクを行った後に精製し、伸展刺激による変化を検索する予定である。
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