2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポドサイトの細胞認識と形態調節機能から探る腎糸球体硬化症発症の分子機構
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15659203
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 俊夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60183498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚口 裕康 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60335792)
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Keywords | ポドサイト / 腎 / ネフローゼ / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
【背景】家族性ネフローゼ症候群の遺伝子解析によって、現在まで2つの疾患遺伝子NPHS1(ネフリン)、NPHS2(ポドシン)が同定されている。これらはいずれも、ポドサイトスリット膜に限局して発現していること、特殊な脂質マイクロドマインに存在していることなどの共通点がある。ポドシンは、ストマチン関連蛋白で、ラフトマイクロドメインを形成するScaffolding(足場)蛋白と推測されているが詳細は不明である。 【目的】本研究では、ポドシンの結合蛋白を酵母2ハイブリット法でスクリーニングすることで、スリット膜に形成される蛋白複合体の性状を明らかにし、ネフローゼ症候群発症の鍵となる分子の同定を試みる。 【結果】Bait-Preyの相互作用をProQuest Syetemを用いて解析した(Invitrogen)。ラット糸球体を単離した後、mRNAを抽出し、サイズ分画2-4kbのcDNAライブラリーを作成し、pDEST22 preyベクターに挿入した(Gal 4ADとの融合蛋白)。ポドシンのC端100 bpをpDEST32 baitベクターにサブクローニングした(Gal4DBDとの融合蛋白)。BaitとpPC86ベクターで指示酵母MaV203を形質転換し至適3AT濃度(10mM)を決定した。次に、一次スクリーニングとして100万クローンのラージスケールでMaV203をトランスフォームし、3ATプレートに生育した36クローンを選択した。現在2次スクリーニングとして、β-Gal,5FOA, Uraで選択を行っている。 【考察】ポドシン結合蛋白の同定は疾患の発症機序解明に大きく貢献すると考えられる。今後酵母の実験系で得た相互作用を、真核生物やin vivoで検証することや、実際のヒトネフローゼ患者でどうなっているかを検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)