2004 Fiscal Year Annual Research Report
TTPにおける遺伝子変異の同定と血中抗ADAMTS13抗体の検出による早期診断
Project/Area Number |
15659232
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村田 満 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50174305)
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Keywords | 血栓性血小板減少性紫斑病 / vWF-CP / 溶血性尿毒症症候群 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
本研究は日本人TTP患者でのADMTS13遺伝子変異、および正常人の多型を包括的に検索し、変異のカタログを作成すること,これらと正常人での多型とADMTS13活性の関連を調べ活性に影響するものを推定し,これをin vitroの発現実験で確認すること,さらに抗ADAMTS13抗体出現の早期診断を目的としてADAMTS13の組み換え蛋白を作成し、これを抗原とした抗ADAMTS13抗体の検出系を確立すること、そして頻度の高いSNPがあれば、これによる変異分子を発現しこれに対する抗体も作製することを目的としている。昨年度の研究でADAMTS13遺伝子のexon領域の新規遺伝子多型のスクリーニングを行い発見された3つのSNP (Q448E, P475S, S903L)について,iv vitro mutagenesisによるHEK293細胞での発現解析を行い,一アミノ酸置換が機能に与える影響を検討し、P475Sではその活性が著明に低下することを示した。またP475S変異と虚血性脳血管障害や冠状動脈疾患との関連について報告した。今年度は主にADAMTS13の血中濃度vs VWF (ADAMTS13の基質である)の血中濃度および活性についてP475S多型との関連で検討した。その結果、ADAMTS13遺伝子多型(P475S)は血中ADAMTS13活性の決定要素のひとつであることが示されたが、ADAMTS13活性と血中VWF(抗原量、活性)に有意な相関はみられなかった。またADAMTS13遺伝子多型と血中VWF(抗原量、活性)にも有意な相関は見らなかった。一方、血中VWF活性と、ずり依存性血小板機能(GTT、PFA100閉塞時間)との間に負の相関がみられた。今後は近年報告されている新しい活性測定法であるFRETS-VWF76を用い、作成された複数のモノクローナル抗体による阻害効果を検討し、ADAMTS13に対する自己抗体がその病態の本質である後天性TTPにおけるFRETS-VWF76の有用性について検討してゆく予定である。
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Research Products
(1 results)