2003 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血成熟単核球からのCD34陽性細胞の誘導〜血球の戻り分化は存在するか〜
Project/Area Number |
15659234
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
伊藤 仁也 財団法人 先端医療振興財団, 再生医療研究部, 主任研究員 (20301989)
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Keywords | 活性化T細胞 / 戻り分化 |
Research Abstract |
固相化OKT-3(オルソクローン)+IL-2+活性化CD4陽性細胞の培養上清を用いて成人の末梢血単核球を培養するとCD34陽性細胞が出現してくる。この細胞の表面抗原を詳細に検討すると、約半数はCD3陽性であるが、CD3陰性分画においては、CD45弱陽性、CD117陽性、HLA-DR陽性、CD38陽性で造血幹細胞と同様の表面抗原を示した。CD34陽性細胞をソーティングし、コロニー形成能を行なうとCFU-GM, BFU-E, CFU-Mixなど全ての系統のコロニーが形成された。またin vivoでの造血再構築能を調べるため、NOD/SCIDマウスの拒絶モデルを作成し、臍帯血単核球から分離培養した活性化したCD4陽性細胞輸注群、活性化したCD8陽性細胞輸注群においてのヒト細胞キメリズムを比較した。活性化CD4陽性細胞輸注群のみで生着を確認し、末梢血、骨髄、脾臓、リンパ節へのヒト細胞生着を確認した。 また本年度は活性化されたCD4陽性細胞に造血刺激サイトカインが存在するという仮説を立てて、既存のサイトカイン72種類についてウエスタンブロッティング法により網羅的に解析した。その結果、活性化されたヒト末梢血CD4陽性細胞は35種ものサイトカイン、ケモカインを産生することが確認された。これらのサイトカインの組み合わせにおいて末梢血からCD34陽性細胞が出現されるかどうか追試を行なっているところである。
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