2004 Fiscal Year Annual Research Report
RNA-FISH技術を用いた染色体機能異常症のための萌芽的診断法開発研究
Project/Area Number |
15659252
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久保田 健夫 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70293511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
|
Keywords | RNA FISH / 染色体機能 / 臨床検査 / 診断法 / SNRRN / XIST / 血液サンプル / Prader-Willi症候群 |
Research Abstract |
【研究目的】 従来の染色体検査では診断できなかった構造変化を認めず機能異常だけを認める染色体異常性疾患、いわゆる「染色体機能異常症」の診断を可能にする染色体検査の開発研究を行った. 【平成16年度の研究成果】 昨年度の基礎的成果をふまえ、今年度は臨床応用にむけて、染色体異常を有する患者検体を用いての解析をおこなった. 1)SNRPNプローブを用いた解析 Prader-Willi症候群の責任遺伝子SNRPNのDNAプローブを用いたRNA FISH解析を継続した.その結果、検体の質により、RNAシグナルがはっきりしない症例が存在する場合があった.RNA FISH法を実用的な検査法にするために、検体の質を問わず、安定してSNRPN遺伝子シグナルが検出できることが必要と考えられた.この問題の克服のために、シグナルの高感度増幅法を現在試している. 2)XISTプローブを用いた解析 不活化X染色体特異的遺伝子XISTのcDNAプローブを用いたRNA FISH解析は、上記のSNRPNゲノムプローブに比べて、発現シグナルが安定して研究することができた. この方法で、46,X,i(Xq)の核型を有する発達障害患者の解析を行った.その結果、正常X染色体からはXIST遺伝子の発現は見られず、XIST発現はi(Xq)染色体からに限られていることが判明した.またi(Xq)染色体上の2か所のXISTはいずれも発現していた.この結果から、この患者において、i(Xq)染色体は選択的に不活化されており、またXIST遺伝子は同一染色体上の他方の同遺伝子の発現産物により不活化されることがないことが示唆された. 【本研究の今後の課題】 1.SNRPN RNAシグナルの増幅をさらに安定化させる方法を確立すること 2.がんの診断応用をふまえて、固形組織においてもRNAシグナルを検出できる方法を確立すること
|