2003 Fiscal Year Annual Research Report
RNAi法を応用した優性遺伝性の先天性表皮水疱症の治療法の模索
Project/Area Number |
15659263
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 健造 京都大学, 医学研究科, 講師 (80291425)
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Keywords | RNAi / 先天性表皮水疱症 / 優性遺伝性皮膚疾患 / 遺伝性導入マウス / 遺伝子治療 / 優性ネガディブ変異 |
Research Abstract |
単純型表皮水疱症や優性栄養障害型表皮水疱症など常染色体性優性に遺伝する皮膚疾患の多くは、優性ネガティブ変異と呼ばれ、1方の対立遺伝子は正常な蛋白を充分に合成しながら、もう一方の変異遺伝子に由来する変異タンパク質が、正常なタンパク質の機能を阻害されることで発症する。本研究においては、特定の遺伝子の発現を阻害するために用いられるRNAi(RNA interference)の手法を応用することで、変異対立遺伝子のみを特異的に抑制する可能性を検討している。 ケラチン遺伝子はタイプI型とタイプII型がヘテロダイマーを形成し働き、また培養表皮角化細胞には、恒常的にケラチン線維を発現することから、同じ中間型繊維であり、デスモゾームへ付着することの知られている筋肉型のデスミン蛋白の変異体を用い解析を進めた。表皮角化細胞株に変異デスミン遺伝子を恒常的に発現する遺伝子ベクターを導入し、形質変換した細胞を選択し実験に供している。デスミンの遺伝子変異は、実際の筋萎縮症患者の点変異の領域に合致するように、ロッド領域のアミノ酸を置換する形の遺伝子変異を準備した。このデスミン変異遺伝子を発現する培養角化細胞は、抗デスミン抗体を用いた免疫染色によりドット状の染色像を取ることより、容易に選択可能である。この際発現量の異なる数種類の細胞クローンを準備している。 現在、変異デスミン遺伝子を安定的に導入したこれらの細胞に、変異遺伝子の塩基に相当する部分を中央部・51側・31側など多様な部位に含む形で合成した数種類の2重鎖RNAを、短鎖核酸用のリポソームやエレクトロポレーションを利用し細胞内へ導入する準備をしている。
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