2003 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞を用いた、生体時計関連遺伝子の多型の機能解析法の開発
Project/Area Number |
15659270
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
海老澤 尚 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00201369)
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Keywords | 時計遺伝子 / 培養細胞 / 相同組み替え / 遺伝子多型 / 概日リズム睡眠障害 / luciferase / 疾患モデル |
Research Abstract |
Rat-1細胞にmouse Bmal1 promoterを挿入したreporter gene (firefly luciferase)を導入し、Dexamethasone刺激により数日間、発光の概日リズムを検出するシステムを確立した。また、Rat-1細胞で正常なCasein kinase I epsilon遺伝子cDNAが発現していることをRT-PCR法で確認し、Casein kinase I epsilon遺伝子に多型を導入する準備を行った。ヒト由来培養細胞を用いた実験に備えるため、ヒトの時計遺伝子promotorやRORE配列を挿入したreporter geneを作成中。ヒト由来の培養細胞で、Dexamethas one刺激等に応じて概日リズムを形成する株を探索している。 また、Per3,Casein kinase I epsilonに引き続き、概日リズム障害発症に関わる時計遺伝子の多型解析を続けていたところ、更に別の時計遺伝子から、その蛋白構造を大きく変える遺伝子変異を見出した。この遺伝子変異はその時計蛋白の機能を大きく変えることが予測され、培養細胞にこの多型を導入した場合、当初予定していたCasein kinase I epsilon遺伝子の多型と比較し、大きな表現型の変化がもたらされる可能性が高いと考えられた。そこで今後はまずこの変異の詳細な性質を調べ、機能変化が確認されればこの変異を相同組み替えで細胞株に導入し、概日リズム表現型の変化を調べる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Satoh K, Mishima K, Inoue Y, Ebisawa T, Shimizu T.: "Two pedigrees of familial advanced sleep phase syndrome in Japan."Sleep. 26. 416-417 (2003)
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[Publications] 池田正明, 余旺節, 朱氷梅, 林隆司, 熊谷恵, 海老澤尚, 岡田尚志郎, 野村正彦: "時計遺伝子BMAL1のリズム発振機構とHPA axis:感情障害の分子病態との関連"精神薬療基金研究年報. 35. 189-195 (2003)
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[Publications] 海老澤尚(分担執筆)(三池輝久, 山寺博史監修, メラトニン研究会 編): "メラトニン研究の最近の進歩"星和書店. 252 (2003)
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[Publications] 海老澤尚(分担執筆)(岡村均, 深田吉孝編集): "時計遺伝子の分子生物学"シュプリンガー・フェアラーク東京. 204 (2004)