2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659271
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 紀夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40281480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60312112)
岡田 三津子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20347496)
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
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Keywords | ミクログリア / オリゴデンドログリア / アストロサイト / 統合失調症 / 双極性障害 / 覚醒剤使用障害 / ゲノム |
Research Abstract |
本年度は、ミクログリアの細胞レベルでの検討に関する技術的問題がクリアできなかったため(技術的問題の解消には今後も鋭意努力する予定)、ミクログリアとその他のグリア系、すなわちオリゴデンドログリア、アストロサイトに関連する分子を候補遺伝子として選択して、統合失調症、気分障害、覚醒剤使用障害との関連解析を行った。 ミクログリアの活性化に関わり、アポトーシスを誘導している分子であるクロモグラニンAに着目した。クロモグラニンAは血液中にも存在している点に着目し、本物質の脳内活性の脳内活性の指標として活用できる可能性を検討した。その結果、新たに開発したELISAシステムにより安定して測定可能であることが確認された。また、血中クロモグラニンA濃度とクロモグラニンA遺伝子多型との関連を検討したが、直接的関連はなかった。一方、統合失調症患者と健常人の血中クロモグラニンA濃度を比較したところ、統合失調症では有意に低下していた。 オリゴデンドログリアに関連した分子としてはSOX10に着目した。Sox10は、胎児期の神経芽細胞の分化に機能すると考えられており、microarrayを用いた死後脳の研究では、統合失調症、気分障害においてSOX10遺伝子の発現が有意に減少していたとの報告がある。そこで、SOX10遺伝子と覚醒剤使用障害、統合失調症、双極性障害との関連を検討した。その結果、双極性障害との有意な関連を見いだした。 アストロサイトに関連した分子としてはorganic cation transporter3(OCT3)に着目した。本分子はあるドパミンおよびセロトニンなどのモノアミンを輸送することが報告されており、OCT3の発現調節が覚醒剤の薬理効果に関与している可能性が考えられている。そこで、本遺伝子と覚醒剤使用障害との関連を検討した。その結果、現時点で有意な関連を見いだした。
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