2004 Fiscal Year Annual Research Report
プレパルス抑制検査を用いた統合失調症の病態の解明と診断法の開発
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15659272
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
功刀 浩 国立精神・神経センター, 疾病研究第三部, 部長 (40234471)
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Keywords | 統合失調症 / プレパスル抑制テスト / モデル動物 / マウス / 知覚運動ゲイティング |
Research Abstract |
プレパルス抑制検査(PPI)は、大きな音刺激に対する驚愕反応が、同じ音刺激を与える直前に弱い音刺激を与えること(プレパルス)によって減弱することをみる検査である。欧米の研究によれば、統合失調症ではこの減弱の程度が少ないことが知られており、sensorimotor gatingの障害があると言われている。しかし、日本の患者や健常者を対象とした所見に関してはいまだに資料が少ない。 そこで本研究では、国産のPPI機器を用いて、統合失調症患者と健常者とを対象にテストを施行した。これまでに、統合失調症患者21名と健常者27名(第一サンプル)を対象にテストを施行し、解析を終了した。また、健常者のうち11名については検査を2度施行し、信頼性を調べた。PPI刺激を3ブロックに分け、第1ブロックと第3ブロックでは、115dBのホワイトノイズ(40msec)のみによる驚愕反応(それぞれ6回ずつ)を測定し、第2ブロックでは、82、86、90dBでのプレパルス(20msec)を30、60、120msecの間隔でパルスに先行して与えた(各6試行、計54試行)。 PPIの信頼性が最も高く、患者-健常者間で有意差を認めた刺激条件は、90dBのプレパルスを120msec先行して与えた場合であった。PPIとPANSSによる症状プロフィールとの関連を重回帰分析で検討したところ、陽性症状が強いとPPIが低値(sensorimotor gatingの異常が強い)を示したが(P<0.001)、陰性症状との関連は認められなかった。以上から、PPIは、統合失調症の生物学的指標として有用であり、特に陽性症状の病態を反映している可能性が示唆された。なお、上記検討結果を踏まえてテストスケジュールを簡略化し、平成16年度までに第二サンプル(患者37名、健常者88名)によるテストも終了し、現在解析中である。
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