2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659279
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
神納 敏夫 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (20254401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 泰文 米子医療センター, 医員 (40304224)
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Keywords | カテーテル / 大動脈弁 / 人工弁 / 金属ステント |
Research Abstract |
動物実験によるカテーテルを用いて留置可能な人工大動脈弁(以下ステントーバルブ)の評価 1)3頭のビーグル犬を用いた予備実験にて、人工弁として使用するポリエステルメッシュの有孔性を評価したところ、想定していたポロシティーの中でもっとも有孔性の高いウォーターポロシティー7000mlのメッシュ(ポリエステル極細繊維を使用)でも、大動脈造影および動脈圧測定上十分な弁としての効果が確認されたため、以降の実験は人工弁としてウォーターポロシティー7000mlのポリエステルを使用することとした。 2)6頭の豚を用いた動物実験では、8Fr introducerを用いた大動脈弁輪部(生体弁の内側)へのステントーバルブの留置は全例で成功した。6例中1例では、最初の留置位置が左室に対して深い位置となったため、人工弁と生体弁の隙間より高度の逆流を認め、また、システム先端が心内膜に接触することによる心室性期外収縮を来たしたが、残る5例では冠動脈直下への弁の正確な留置に成功した。そして、ステントーバルブ留置後の血管造影にて臨床的に許容範囲内のわずかな左室への逆流を認めたものの、1時間の予定観察期間中、動脈圧モニター上の拡張期圧の低下や、心電図上の心筋虚血の所見もみられず、良好な弁機能が確認された。留置1時間後の剖検所見では、全例でシステムは上行大動脈に安定して固定されており、ポリエステルメッシュは新鮮血栓によりほぼ全面が被覆され膜状となっていたが、弁から容易に遊離するような血栓塊の付着はみられなかった。 なお、これらの動物実験は施設内倫理委員会の承認を経たうえで、実験動物取り扱い規定に基づいて愛護的に実施された。
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