2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15659281
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
足立 利貞 九州大学, 大学病院, 助手 (10335979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 慎一郎 九州大学, 大学病院, 講師 (80315142)
前田 豊樹 九州大学, 大学病院, 講師 (30264112)
上田 真信 九州大学, 大学病院, 助手 (40380422)
畠中 正光 九州大学, 大学病院, 講師 (40253413)
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Keywords | IVR / ラット / 放射線防護 |
Research Abstract |
本年度は、放射線照射によるDNA損傷の一般的な評価方法である小核試験法を用いて以下のことを調べた。1.ラットの肝臓に放射線を照射した場合の放射線の線量と小核出現頻度の関係。2.放射線防護剤(アミフォスチン)を局所投与または全身投与した後に放射線を照射した場合の放射線防護剤の投与経路および用量に対する小核出現頻度の依存性。3.各投与経路における放射線防護剤の用量と小核出現頻度の関係。 方法は以下のとおりである。1.オスのフィッシャー344ラットをペントバルビタールナトリウム60mg/kg腹腔内注射により麻酔する。2.門脈(局所投与)または下大静脈(全身投与)にカニューレを挿入し、生理食塩水または放射線防護剤を注入する。3.肝臓を中心に放射線を照射する。4.肝臓の一部を切除して肝細胞の分裂を促進する。5.前潅流液およびコラーゲナーゼ液で肝臓を潅流する。6.単離された肝細胞を固定・DAPI染色後に蛍光顕微鏡で観察する。 結果は以下のとおりである。1.放射線の線量と小核出現頻度の間には直線関係が認められた(P<0.01)。2.分散分析の結果、放射線防護剤の投与経路および用量により小核出現頻度に差があると認められた(投与経路:P<0.05、用量:P<0.01)。3.各投与経路において、放射線防護剤の用量と小核出現頻度の間には直線関係が認められた(局所投与:P<0.01、全身投与:P<0.05)。局所投与の回帰直線の傾きは全身投与の約2倍であった。 結論として、同量の放射線防護剤を投与した場合、局所投与のほうが全身投与より放射線防護効果が高いことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)