2003 Fiscal Year Annual Research Report
組織拡張器の持つメカニカルストレスを利用した新組織再生医療法の研究
Project/Area Number |
15659347
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 裕司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30241988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和強 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50302691)
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70311628)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
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Keywords | 血管新生 / 骨形成 / 横延長 / メカニカルストレス |
Research Abstract |
目的・方法 骨新生・血管新生の研究を行うため脛骨の一部を骨軸に対し垂直方向に延長する横延長モデルを作成した。横延長モデルにおける血管新生の定量的評価の報告はいまだ無く,今後の血管閉塞性疾患への応用の可能性について探求した。 実験には、臨床上健常な、ビーグル成犬7頭を用い脛骨骨片を横延長した。また、全頭において右脛骨を無処置のコントロール群とした。創外固定器装着後、7日間を待機期間、延長期間を14日間とし、さらに28日間の骨硬質化期間を設けた。延長期間中の骨延長速度は、1日当たり1mmを14日間行った。手術より、49日目に全頭を検体に供した。延長部の血管形成の評価としては剖検時にのマイクロアンギオグラフィーを行いそれを軟X線撮影にて評価した。(以上の実験はすべて動物実験規約に従い行われた。) 結果 14日間の延長操作での仮骨延長距離は、最大値が13.75mm、最小値が11.69mmで平均値は12.82mmであり全例において良好な骨形成が得られていた。骨塩密度の経時的変化では21〜35日目の間において骨添加のピークが訪れリモデリングによる骨髄形成がすでに行われていることが予想できた。個体間差も少なく横延長では安定した速い石灰化が行われていた。マイクロアンギオグラフィーを行いそれを軟X線撮影にて骨髄血管は延長肢では上・下行骨髄動脈の血管径の増大とそこから分枝する豊富な細動脈が見られそれらは延長骨周囲に顕著にみられた。延長部分の血管面積の割合はコントロール肢の3.48±0.63%に比して延長肢では11.72±3.48%と有意に(p=0.027)増加していた。 結果 横延長モデルにおいて定量的な評価を行い良好な骨形成・骨髄血管形成が行われていることが明らかになった。今後,このモデル・評価法を用い周囲軟部組織の血管形成について評価を行い臨床応用の可能性について更なる研究を行う。
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