2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織拡張器を持つメカニカルストレスを利用した新組織再生医療法の研究
Project/Area Number |
15659347
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70311628)
泉 亮良 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | メカニカルストレス / 牽引ストレス / 横延長 / 骨形成 / 血管新生 |
Research Abstract |
前年度に引き続き牽引ストレスを治療対象組織に有効に作用させ、組織中の血管形成を促進する治療法を開発することを目標に動物実験を行った。今回の実験では慢性虚血モデルを作成しそれに対し横延長を行い、周囲組織の血管形成を定量評価した。 実験には、臨床上健常なビーグル成犬7頭を用いた。創外固定器装着手術に先立ち4週間前に全身麻酔下にて両側の大腿動脈の浅腸骨回旋動脈の分岐から伏在動脈の分岐にかけて結紮し、慢性下腿虚血モデルとした。左脛骨に創外固定器および骨延長器を装着する手術を実施し、脛骨骨片を横延長した。また、全頭において右脛骨を無処置のコントロール群とした。創外固定器装着後、7日間を待機期間、延長期間を14日間とし、さらに28日間の骨硬質化期間を設けた。手術より49日目に全頭を検体に供した。周囲軟部組織の血管形成の評価として延長肢、コントロール肢ともに前脛骨筋、長趾伸筋、腓腹筋、足底筋を採材し固定した後にCT、軟X線、第VIII因子を用いた免疫染色による筋肉内血管の定量評価ならびにH.E染色による病理組織学的検討を行った。(以上の実験はすべて動物実験規約に従い行われた。) 軟X線による周囲筋の肉眼所見では前脛骨筋、長趾伸筋、腓腹筋、足底筋すべてにおいて、延長肢は細い血管が一様に広く分布していた。血管密度は前脛骨筋ではコントロール肢で17.35±3.03%、延長肢で20.7±3.05%、長趾伸筋ではコントロール肢で16.4±1.88%、延長肢で20.43±3.34%、腓腹筋ではコントロール肢で16.62±3.09%、延長肢で18.81±3.71%、足底筋においてはコントロール肢で18.08±3.66%、延長肢で20.41±5.26%であった。コントロール肢に比較して延長肢の血管密度が有意に高い傾向を示した。
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Research Products
(2 results)