2004 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス合金の骨接合材料への応用に関する実験的研究
Project/Area Number |
15659350
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70311628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
塙 隆夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター, 副センター長 (90142736)
廣本 祥子 物質・材料研究機構, 材料研究所, 研究員 (00343880)
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Keywords | 骨接合材料 / 強度 / アモルファス合金 / 骨形成 / 骨癒合 / 骨折 |
Research Abstract |
前年度に引き続きアモルファス合金の骨接合術材料への応用に関する基礎実験を行った。実験には、ウィスターラットラット12匹を用いた。今年度は今後大型の骨接合材料を開発できるようにアモルファス材料の作成方法を粉末個化法とした。前年度と同様の方法を用いてアモルファス化が完全であることを確認した。本材料を用いて2mm径の髄内釘を作成した。また今年度は骨きり部分に間隙を設け、より骨形成が遅延するモデルを採用し、骨形成を観察した。このため髄内釘にはスリットを作成し、スリットに挿入するピンを作成して、臨床に用いるロッキングネイルと同等とした。ラットの腹腔内麻酔により、大腿骨を骨幹部中央で骨きり後に髄内釘を挿入した。対側の大腿骨は無処置のコントロール群とした。またTi6Al4Vの髄内釘を比較対照とした。6週間飼育後大腿骨を摘出した。2週感覚でX線写真撮影を行い、摘出骨についてはDXAおよびpQCTにて骨形成を評価した。また摘出したアモルファス合金髄内釘は腐食、破損、磨耗を評価した。髄内釘表面の観察を走査型電子顕微鏡により、表面組織についてはエネルギー分散型X線分光法によって同定および定量した。髄内釘1本において2週でスリット基部の破損が明らかになった。この破損標本では基部にアモルファス化が一部不完全であった。そのほかの髄内釘においてはアモルファス化が完全であった。3匹においてピンがスリットから引き抜けた。他の8匹については引き抜けは起こらなかった。8匹においてX線写真では6週において仮骨形成は豊富であった。しかし骨癒合には至らなかった。大腿骨の骨量はDXAおよびpQCTでアモルファス髄内釘がチタン合金髄内釘よりも多い傾向にあったが優位差はなかった、表面分析では11検体では破損はなかった。またアモルファス表面は表面に生成する燐酸カルシウムは観察されなかったが、チタン合金では先行実験と同様に生成が確認された。結論として粉末個化によるアモルファス合金においても同様の結果となった。
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Research Products
(1 results)