2004 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiによるユーイング肉腫、横紋筋肉腫のキメラ遺伝子を標的とした遺伝子治療
Project/Area Number |
15659353
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大野 貴敏 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60281052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 裕 岐阜大学, 医学部, 助教授 (20208234)
|
Keywords | ユーイング肉腫 / RNAi / 遺伝子治療 / 癌遺伝子 / EWS / 分化 |
Research Abstract |
本年我々はEWS/FlilをKeyとしたシグナル伝達を解析した。特にこれまで行ってきたPLD, ERK, Aktなど細胞増殖に重要な役割をしている分子との関連を中心に研究を進めた。興味深いことにPDGF刺激によるPLD2活性の増大はsiRNAでEWS/Flilを抑制することにより著明に低下した。またPLDに対するsiRNAを合成し、ユーイング肉腫細胞に導入したところp70S6Kのリン酸化とcyclinD3などの発現が減少した。またPDGF刺激による,ERK、Akt, p70S6Kの活性化は1-butanolを添加してPLD活性を抑制することによって著明に減少した。これらの結果はEWS/FlilがPLD2を介したERK、Akt、p70S6Kなど細胞増殖シグナルに関与している蛋白の活性化に深く関与していることを示している。ユーイング肉腫において、これらの分子を標的とした治療の展望が開ける可能性がある。また同時にEWS/ATF1に対する研究も行った。すなわちEWS/ATF1をsiRNAで抑制すると、BLCAPの発現が増加することが判明した。BLCAPは泌尿器領域の癌の抑制遺伝子候補として発見された分子であるが、これが明細胞肉腫の腫瘍発生にも関与していることが示唆された。現在これらのデータをまとめ投稿中である。
|