2005 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiによるユーイング肉腫、横紋筋肉腫のキメラ遺伝子を標的とした遺伝子治療
Project/Area Number |
15659353
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大野 貴敏 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60281052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 裕 岐阜大学, 医学部, 教授 (20208234)
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Keywords | ユーイング肉腫 / RNAi / 遺伝子治療 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
本年度は主にEWS/Fli1をKeyとしたシグナル伝達を解析した。PDGF刺激によりEwing肉腫細胞株TC135内のERK、Akt、p70S6Kのリン酸化と、PLDの活性が有意に増加した。それぞれの蛋白に特異的な阻害剤を添加することにより、蛋白のリン酸化は独立的に抑制され、各シグナル経路は独立した経路であることが判明した。それに伴い腫瘍細胞の増殖も有意に抑制された。次にsiRNAでEWS/Fli1の発現を抑制することにより、各シグナル経路は抑制され、PLD活性も低下し、細胞増殖も抑制された。またPDGF刺激によるERK、Akt、p70S6Kの活性化は1-butanolによりPLD活性を抑制することによって著明に低下した。さらにPLDに対するsiRNAを導入してPLDの発現を抑制した際にも同様の結果が得られた。これらの結果は、Ews/Fli1がPLD2を介したERK、Akt、p70S6Kなどの細胞増殖シグナル分子の活性化に深く関与していることを示している。Ewing肉腫において、これらの分子を標的とした治療の展望が開ける可能性があると思われた。これらのデータをJ.Biol.Chem.に発表した。 また同時にEWS/ATF1に対する研究も行った。すなわちEWS/ATF1をsiRNAで抑制すると、BLCAPの発現が増加することが判明した。BLCAPは泌尿器領域の癌の抑制遺伝子候補として発見された分子であるが、これが明細胞肉腫の腫瘍発生にも関与していることが示唆された。現在これらのデータを投稿中である。
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Research Products
(3 results)