2004 Fiscal Year Annual Research Report
チャネル病としての緑内障への分子生物学的アプローチ
Project/Area Number |
15659407
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高井 章 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50126869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 晃敏 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70125417)
三宅 養三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30166136)
成瀬 恵治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40252233)
大日向 浩 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20233257)
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Keywords | 緑内障 / チャネル病 / 毛様体筋 / 房水流出率 / 膜電位固定法 / trp陽イオンチャネル / 遺伝子組み換え / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1.本研究では、房水流出路として重要な働きをする毛様体平滑筋の張力維持に必要なCa^<2+>イオン流入経路として機能するイオンチャネルをコードしていると考えられているtransient receptor potenrial canonical(trpc) geneの異常が緑内障の発症に関与する可能性につき検討した。これまで動物における緑内障は、ぶどう膜炎などによる続発性のものがイヌやウマで数例報告されているに過ぎない。今回、実験動物のtrpc遺伝子を変化させることにより緑内障の実験モデル作成するために役立つと思われる、下記のようなデータを得た。 2.ヒトおよびマウスについて現在までに報告されている7種の哺乳類型trpc遺伝子の既知配列をもとにいろいろなプライマペアを合成、RT-PCRによりウシおよびヒト毛様体筋において発現しているtrp遺伝子を定量的に検索し、trpc1,3,4および6に対応するmRNAの存在を確認した。 3.上記trpcの大半について全cDNA配列を決定するとともに、蛍光抗体染色法により、これらによりコードされる蛋白質が、毛様体筋細胞膜に発現していることを確認した。。 4.得られたcDNAを発現ベクトルに組み込んだものを単独、またはM_3型ムスカリン受容体遺伝子と同時に、培養細胞の細胞内に導入、発現してくるチャネルの性質を電気生理学的に検討する段階に漕着けた。現在、trpc遺伝子のpore-forming regionに相当する部分を改変し、培養細胞に発現させ、チャネル活性への影響を調べる実験を進めている。 5.今後、これまでに得られたデータに基づき、各種trpc遺伝子をノックアウトしたマウスを作成を試みる計画である。そのような実験動物から採取した組織を用い、収縮実験や、パッチクランプ法を用いた電気生理学的実験を行うことにより緑内障の発生メカニズムを分子レベルで検討することを目指す。
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Research Products
(1 results)